「凡人は、勉強を始める前に、『これは難しいなぁ』『今日は気分が悪いし』と感情によって意志が影響を受けてしまいますが、感情が鈍感だと、そう思う間もなく勉強をする。行動が感情に邪魔されないんです。だから知的な人は周囲とうまくいかない場合がある。頭がいいのに表情や空気感をつかめないんです」(加藤氏)
つまり極端に頭がよければ、遠慮して怒りを抑え込んだり、こんなことを書いたらかえって迷惑かな…などと忖度したりすることなく、気に入らないことがあれば豊田議員のように怒る。桜蔭、東大で豊田議員の同級生だった田中絵里緒さんがフェイスブックに「豊田真由子さんと私の関わり」というあまりにも赤裸々な8000字もの文章をつづり「いくらなんでも暴露しすぎでは。ホントに親友なの?」などの批判も寄せられた。だが、書くべきだと思ったら田中さんのように突き進んでいけるのだ。
逆にいえばスーパーエリートたちからすると、他人のことをいちいち気にして、あれこれ感情をぶつけることはナンセンス。今、田中さんの言動を炎上させている人たちこそ凡人に他ならない。「女の敵は女」などという言葉が頭をかすめたあなたもまた凡人なのだ。
ともあれ、豊田議員の暴言と暴力は許されるものではない。ただ、一連の言動が明らかになったことで「学びがあった」と前出の三浦さん。
「最初は、なんてひどいことを言う人なんだろうとしか思えなかったのですが、彼女のおそらく無理をしてきたであろう半生を知ると、お受験で東大に入れるような仕組みをはじめとした日本社会、それから人の育て方を変えないとならないと思うようになりました。大事なのは人間力、そして、それに深みを与えてくれる教養だと思います」
豊田議員本人には決してそんなつもりはなかっただろうが、いろいろなことを教えてくれたといえそうだ。
※女性セブン2017年7月20日号