筆者(相馬)は香港返還20周年の取材で6月29日から香港入りしており、打ち上げの7月2日も香港に滞在。20周年関連の各種行事をこなしていた習近平国家主席が1日午後には北京に帰ってしまったこともあって、長征5号の打ち上げもウオッチしていた。
習近平主席の香港滞在中の公式行事は香港駐留人民解放軍部隊3100人の閲兵から20周年記念式典、第5代の香港行政長官就任式などCCTVはほとんど生中継。その後、香港返還の20周年の慶祝行事の一環として予定されていたロケット打ち上げも同じくライブ放送していたというわけだ。
ロケットの打ち上げ時間も午後7時過ぎと、7時開始のCCTVのメーンニュース番組である「新聞聯播」の放送時間ぴったりに合わせており、CCTV側も、よもや失敗するとは思わず、自信満々で中継していたと思われる。
そして、実際の打ち上げ時間は7時23分。30分には一段目のロケットが切り離され、32分には2段目のエンジンに点火され、打ち上げは順調に進んでいるかに見えたが、その3分後の7時35分、ロケットは失速し、爆発し落下する様子が1分間映し出されるとぷっつりと画面が切り替わり、アナウンサーが次のニュースを読み始めたのだった。