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菅義偉・官房長官の「菅話法」で危機をしのぐ方法考察 

 菅官房長官がよく使うフレーズとしては、ほかにも「法令に則って粛々と進めてまいります」「個別の事案についてお答えすることは差し控えたいと思います」「言っている意味がよくわからないというのが率直な印象です」などがあります。

 私たち一般人も、いつどんな場面で「都合の悪いこと」を追求されるかわかりません。イザというときのためにその手法を会得しておきたいところ。大人としての武器を増やすべく、会社生活や日常生活の中で、菅話法をどう使えばいいかを考えてみましょう。

 仕事でミスをして、上司に「先方が怒って取り引きを打ち切ってきたら、どうするつもりだ!」と言われたら、すかさず「仮定の質問にはお答えできません」と返したいところ。「どうしてこうなったか、説明してみろ!」と聞かれたときには「個別の事案についてお答えすることは差し控えたいと思います」がピッタリです。無表情の中に時おり人を小ばかにしたような表情を漂わせれば、さらに菅官房長官っぽくなるでしょう。

 悪事が妻にバレて、いきなり「浮気してるでしょ!」と詰め寄られたときには、「その指摘は当たりません」「言っている意味がよくわからないというのが率直な感想です」の合わせ技で。「そんなことしていいと思ってんの!」と怒られたら、シレッとした口調で「まったく問題ありません」と返せば、一瞬だけ相手をひるませることができるでしょう。

 上司に「お前なんかクビだ!」と言われたり、妻に離婚を言い渡されたりしても大丈夫。「法令に則って粛々と進めてまいります」と言えば、実際はともかく、何となく自分が優位に立ったような錯覚を覚えることができます。上司のクビ宣告の場合、法律上はそんなことはできませんから、「も、もしかして総務部や労基署とかにチクるつもりかな……」と勝手にビビってくれるかもしれません。

 こうして具体的な場面に当てはめてみると、菅話法を繰り出せば繰り出すほど、なおさら相手を怒らせて事態が悪化しそうです。そもそも、こうしたことを平気で口にできる面の皮の厚さは、ほとんどの人にはありません。人としての羞恥心や誠実さなど、いろんなものを捨てないと言えないセリフだし、取れない態度です。よっぽどの場面では使う覚悟を固めつつ、日常的に難なくこなしている菅官房長官にあらためて感心しましょう。

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