ビジネス

ウーバーが日本でなかなか事業を拡大できない理由

ウーバー伸び悩みの理由を大前氏が解説

 アメリカ発の世界覇権企業の中でも、新しいビジネスモデルで日本の国内市場にいわば“開国”を迫っているのが、アマゾン、ウーバー(Uber)、エアビーアンドビー(Airbnb)などの“21世紀の黒船”だ。そのうちのひとつ、ウーバーがなぜ日本で苦戦しているのかについて、経営コンサルタントの大前研一氏が考察する。

 * * *
“21世紀の黒船”3社のうち、日本で最も苦戦しているのはウーバーだ。同社は2014年に上陸し、東京でタクシー配車サービスを開始したが、すでに東京からは撤退した。

 現在は過疎地のライドシェア(相乗り)サービスにシステムを提供したり、飲食店の料理を自転車などで配達する「ウーバーイーツ」を展開したりする程度で、なかなか事業を拡大できずにいる。

 その理由は、そもそも日本では一般人の自家用車による有償旅客送迎が“白タク行為”として法律で禁じられている上、いち早く日本のタクシー業界が対抗策を講じたからである。

 ウーバー上陸に危機感を募らせた日本交通の川鍋一朗会長がスマートフォンのタクシー配車アプリ「全国タクシー」を開発し、それを使えば全国47都道府県の提携タクシー会社163グループのタクシー約3万台の中から近くを運行中の車両を簡単に呼ぶことができるようになった。それによってウーバーは完全に封じ込められてしまったのである。

 今後、規制緩和で白タクが認められれば、もうひと波乱あるかもしれないが、その緩和の方針が未だ見えない現時点では予測不能だ。

※週刊ポスト2017年7月21・28日号

関連記事

トピックス

大阪・関西万博を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
【美しい!と称賛】佳子さま “3着目のドットワンピ”に絶賛の声 モード誌スタイリストが解説「セブンティーズな着こなしで、万博と皇室の“歴史”を表現されたのでは」
NEWSポストセブン
8月27日早朝、谷本将志容疑者の居室で家宅捜索が行われた(右:共同通信)
《4畳半の居室に“2柱の位牌”》「300万円の自己破産を手伝った」谷本将司容疑者の勤務先社長が明かしていた“不可解な素顔”「飲みに行っても1次会で帰るタイプ」
NEWSポストセブン
騒動から2ヶ月が経ったが…(時事通信フォト)
《正直、ショックだよ》国分太一のコンプラ違反でTOKIO解散に長瀬智也が漏らしていたリアルな“本音”
NEWSポストセブン
ロシアで勾留中に死亡したウクライナ人フリージャーナリスト、ビクトリア・ロシチナさん(Facebook /時事通信フォト)
脳、眼球、咽頭が摘出、体重は20キロ台…“激しい拷問”受けたウクライナ人女性記者の葬儀を覆った“深い悲しみと怒り”「大行列ができ軍人が『ビクトリアに栄光あれ!』と…」
NEWSポストセブン
谷本容疑者(35)の地元を取材すると、ある暗い過去があることがわかった(共同通信)
「小学生時代は不登校気味」「1人でエアガンをバンバン撃っていた」“異常な思考”はいつ芽生えたのか…谷本将志容疑者の少年時代とは【神戸市・24歳女性刺殺】
NEWSポストセブン
大谷の「二刀流登板日」に私服で観戦した真美子さん(共同通信)
「私服姿の真美子さんが駆けつけて…」大谷翔平が妻を招いた「二刀流登板日」、インタビューに「今がキャリアの頂上」と語った“覚悟と焦燥”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚を発表した(左・Instagramより)
《お腹にそっと手を当てて》ひとり娘の趣里は区役所を訪れ…背中を押す水谷豊・伊藤蘭、育んできた3人家族の「絆」
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
《前科は懲役2年6か月執行猶予5年》「ストーカーだけでなく盗撮も…」「5回オートロックすり抜け」公判でも“相当悪質”と指摘された谷本将志容疑者の“首締め告白事件”の内幕
NEWSポストセブン
硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン