私が精神的に強くないから病気になったと、自分をすごく責めてしまったんです。自信をなくして、仕事に向いていないんじゃないかと思い、辞めようという気持ちが強まりました。情熱を持って仕事をやっていたつもりですけど、その情熱がなくなってしまったんです。
だけど、両親はまもなく定年を迎えます。病気がわかってから実家で暮らしていますが、体力の回復とともに「自立しないといけない」という思いが強くなりました。退職して6か月後の今年4月に再就職しました。
再就職のときに、会社にがんということは言いませんでした。周りが、自分の病気を知らない環境の方が働きやすいんじゃないかと思ったけれど、がんを公表していたからこそ理解してもらっていたところもあるんだな、ってわかりました。
今は帰宅が21時になることもあるほど忙しく、体力的にしんどいです。でも、当たり前ですが、何も知らないから配慮はありません。また、何気ない雑談から病気だとわからないよう気を使うので、精神的にも疲れます。
ウイッグなのに「髪が長くなった」と言われたことがあって、そういう言葉にどう返すか準備しておくんです。最近は髪がだいぶ生えてきたけれど、誰にも気づかれないようウイッグを取るにはどうしよう、とか悩んでます。
心の内をさらけ出して吐き出せる場所が欲しい。最近ようやく、上司にがんの治療を受けたと打ち明けました。また、1か月後に臨床心理士のカウンセリングを受けようと思います。ちょっとずつ前へ進まないといけませんから。
※女性セブン2017年7月27日号