確かにそれは、まるでデパガかエレガのように美しい姿勢であり、海外ブランドショップの店員かCAかのように完璧なお辞儀。口調はイベントの司会者のようで、アナウンスのトレーニングをしっかり積んできたことがわかった。
今度は同じ大阪府出身で、地元の大学を卒業した“先輩”でもある川田裕美が伊東のプロフィールの説明を始めた。実は、昨年の7月5日、川田が立会人となって行われたのが『セント・フォース関西』の御披露目。同社の第1号として所属した新人4人の内の一人が伊東だったのだという。
セント・フォースの設立は1994年。拠点は東京のみだったが、地方に初進出したというワケだ。
関西のプロダクションと言えば、吉本興業と松竹芸能が双璧であり、両社を所属先に選んだ女子アナもいる。有名どころでは、元・日本テレビアナウンサーの上田まりえが松竹芸能。吉本には、ナレーションやリポート、CMなどで活躍する藤川奈々がいる。セント・フォースの成功が、お笑いの事務所やタレント事務所に“女子アナ部門”を設けさせたのだ。
が、卵たちの“選定力”にずば抜け、女子アナ最大の活躍場所である各局の情報番組に太いパイプをもっているのはセント・フォース。アナウンサー志望の女子大生が全国に居ることも把握していて、学生であることなどが理由で東京での仕事ができない者が多いという現実もわかっていた。
果たして、準キー局が拠点とする関西でも“金の卵”を発掘しようということになり設立されたのが「セント・フォース関西」なのである。
件の御披露目会で一際、目立っていたのが「ミス近大」の経歴をもつ伊東紗治子だったというワケだ。その後、各大学のミスが集まる「Miss of Miss Campus Queen Contest」でも準優勝に輝いている、多くの者が認めた文句ナシの美人フリーアナウンサーだ。
休憩中の会話に話を戻すと、「でも、いまはグラビア専門にやってはるんですよね?」と東野が興味津々な顔をして伊東に質問した。すると「水着を着て、頑張っています」と、やや照れくさそうな顔で説明する伊東。“1周回った視聴者代表”として、その日の収録ゲストだった井森美幸と北陽の虻川美穂子も前のめりになって「どんな水着を?」と問うた。