ビジネス

オリンパス内部告発 コンプラ担当が告発相手にもCCで通報

現役社員の立場で2度にわたって会社を訴えた濱田正晴氏

 この国には、内部告発者を保護する法律(2006年4月に施行された公益通報者保護法)ができてなお、個人が大組織を相手にすることには、多くの困難が伴う。そのことを示す実例が、現役社員の立場で2度にわたって会社を訴えた経験を持つオリンパス社員・濱田正晴氏(56)だ。

 * * *
 私が社内のコンプライアンス担当部署に、上司が取引先から不正に社員を引き抜こうとしていると通報したのは2007年6月のことです。公益通報者保護法が施行された翌年にあたります。

 私が通報したことは誰にも漏らさないようにと伝えていたのに、担当部署から翌月に届いた回答メールの宛先にはCC(同報)で、引き抜きをしていた上司本人が入っていたのです。

【2007年当時、超音波非破壊検査装置の営業のチームリーダーを務めていた濱田氏。内部通報が対象の上司らの知るところとなった結果、全く経験のない部署に何度も異動させられるなどの処遇を受ける。

 2008年2月、配転命令の無効と損害賠償を求める訴訟を起こし、2012年6月に最高裁で「配転は人事権の乱用」として220万円の賠償を命じる判決が確定した】

 内部通報をしたのは会社の信用を守りたいという気持ちだけだったのに、裁判になって多くの時間も費用もかかってしまった。公益通報者保護法ができても、罰則がないから組織は通報者を守ろうとしないのです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン