犯罪者かどうかは見かけで判断しにくい。今年3月に千葉県松戸市で起こった小3女児殺害事件では、容疑者は知り合いだった。こういったことからも、どんな人があやしいのか、どんな人に気をつけないといけないかを子供に教え、判断させるのは難しいことがわかる。
そこで小宮さんは、「人ではなく景色を見よう」とすすめている。人は嘘をつくが景色は嘘をつかない。だまさないものを見た方が正しい判断がしやすいからだ。
「犯罪願望のある人間のすべてが実行に移すわけではありません。犯罪者は、犯行を起こすのに都合のいい状況、つまり犯罪が成功しそうな場所を探し、その場所に“獲物”がかかった時点で行動に移すのです。逆に、犯罪が失敗しそうな場所では実行しません」
では、どんな場所が犯罪者に都合のいい場所なのか。それは、犯罪者を含め、誰にとっても「入りやすく」、さらに、人の視線が届かない「見えにくい」場所だという。
「先に述べた犯人が、女児に声をかけた歩道橋の上も、まさに“入りやすくて見えにくい”場所の代表例です」
歩道橋は誰もが上れ、車道や歩道からも見えにくい。宮崎勤のケースではさらに、歩道橋を渡る人が女児しかいない瞬間を狙って話しかけている。
ちなみに、警察庁が調べによると20才未満を被害者とした略取誘拐の発生場所は、39%が「道路」、25%が「住宅」、10%が「駐車(輪)場」、5%が「公園・空き地」、3%が「学校(幼稚園)」、1%が「列車内・駅」だった(2013年)。
※女性セブン2017年8月10日号