今年1月に就任したトランプ大統領も、約40年間ホーム・ドクターを務めたハロルド・ボーンスタイン氏ではなく、WHMUの常駐医、ロニー・ジャクソン氏(海軍少将)を主治医に指名した。
なお主治医は一般的に「ホワイトハウス・ドクター」と呼ばれ、WHMUのディレクターを兼務する。
WHMUはホワイトハウス内に診療所を構え、いつでもただちに大統領のもとに駆けつける態勢をとっている。薬剤や医療器具はもちろん、手術や緊急蘇生ができる医療機器を完備した診療所は、大統領の「プライベート病院」のようなものだ。
さらに、最低1人の医師が「エグゼクティブ・レジデンス」と呼ばれる大統領居住エリアに常駐し、24時間、不測の事態に備えている。
もちろん、大統領の日々の健康管理も重要な任務だ。
1974~1981年にかけて、フォード、カーター両大統領の主治医を務めたウィリアム・M・ルカシュ氏は、「大統領の性格やストレスの状態など、健康に及ぼすすべてのことを把握するよう努めている。ホワイトハウスのキッチン、食器、食器置き場や配管設備にいたるまで衛生面への配慮も万全を期している」と当時のインタビューで語っている。