さて真実を知るのに、何も本人の仕草だけに注目する必要はない。ということで、注目したのは麻生太郎財務相の仕草だ。24日の衆議院予算委員会、答弁に立つ首相の後にはずっと麻生大臣の姿が。目をつむり、何やらゆらゆらと頭が揺れ船を漕いでいるのかと思いきや、首相の説明にうなずいたり、首を振ったり。きっちりと答弁は聞いている様子だ。もちろん、大臣本人は自分の仕草が分析されるなんて、思ってもいないはず。
国家戦略特区の諮問会議の議論に、「これまでの岩盤に風穴を開ける」という首相の発言に何度もうなずいたものの、「議論が私に報告されることはない」に答弁には、大臣は目をつむったまま首を横に振った。
行政に対する働きかけについて、首相が「私は正直にお話させていただいている」と言うと目をつむったまま首を横に振り、背広の胸元に手を入れる。「私から具体的に指示を受けた者はいない」という答弁には首を左右に振るが、「私は指示をしていない」という言葉には軽くうなずいた。
特区の諮問会議で「事前に説明はない」という首相には、うなずいたものの、続けて首を横に振り、「私は何の働きかけもしていない」という発言には無反応。
「意図を知っていたら辞任するか」という野党議員の質問には、「知っていようがいまいが、便宜を図ることはない」と答えた首相の後で、大臣は頭を揺らして含み笑い。「加計氏が依頼したことはまったくない」という発言にはうなずいたが、「適切なプロセスを踏んだ」という発言には無反応。
首相が「予算と関係ない議論に委員会を費やすことになって反省」といった時は、目を開けて深くうなずき「そうだ」と呟いたように見えた。
麻生大臣が、真相をどこまで知っているのかはわからない。だが大臣の仕草を、うなずきをYES、首振りをNOとして意地悪く読み解けば、議論は報告されていたし、首相は正直に話していないということになる。具体的でなくても、それを指示と捉えた者がいた可能性もあれば、働きかけがなかったとも、適切なプロセスを踏んだとも、大臣は思っていないと推測することもできる。加計氏からの依頼はないという発言にうなずいたのは、こういう間柄こそ阿吽の呼吸と忖度、ストレートな依頼などあるわけがないということだろうか?
逆に麻生大臣の仕草を良心的に解釈すると、「議論が報告されることはない」という発言には「そんな報告ない、ない」という意味で首を横に、「具体的に指示を受けた者はいない」には「そんな者、いないよ、いない」と首を振ったのかも…。
でも「私は正直にお話させていただいている」という首相の発言に、大臣が首を左右に振ったのはなぜ?
さて、皆さんなら、どう考えます?