国内

靖国神社元No.3が「A級戦犯合祀手続きは間違いだった」と告白

靖国神社の内部から声を上げる人物が現われた

 終戦記念日を前に、また靖国神社をめぐって国内外が騒がしくなる季節がやってきた。しかし、例年とは様相が違う。これまで沈黙を貫いてきた靖国神社の内部から声を上げる人物が現われたのだ。2006年から今年6月まで靖国神社に勤め、宮司、権宮司に次ぐ禰宜(ねぎ)という幹部職にあった宮澤佳廣氏がこのほど『靖国神社が消える日』を上梓した。宮澤氏は執筆の動機をこう語る。

「私は靖国神社に11年間、その前は神社本庁に21年間おり、内外で靖国問題に関わってきました。そこで、国のために戦って亡くなった人たちを祭神として祀る靖国神社の特別な公共性を考えた場合、今のように民間の宗教法人のままであれば、靖国神社は内部から崩壊してしまうのではないかという危機感を抱いたのです。

 事実、靖国神社が宗教法人であれば、トップである宮司と少数の責任役員の判断で九段の土地を切り売りすることだってできてしまう。それを防ぐためには、靖国神社が宗教法人格を返上して、もう一度国が責任を持ってお祀りする国家護持のあり方を模索すべきだというのが私の考えです」(以下「 」は宮澤氏の発言)

 宮澤氏がその問題を痛感したのが、東条英機・元首相ら「A級戦犯」が合祀された経緯である。

「昭和53年のA級戦犯合祀は、当時の松平永芳宮司の判断に基づき、宗教法人である靖国神社の社内手続きに従って行なわれました。対外的な発表もなく、報道によって明るみに出たのは翌年のことです。あの時点で国民的合意を得るような努力をしていたら、中国や韓国、あるいは国内の左翼といった反靖国勢力につけ込まれることもなく、靖国問題はまったく違う経過を辿っていたはずです。私はA級戦犯を祀ることには賛成ですが、手続き論としては間違っていたと思っています」

関連記事

トピックス

常盤貴子が明かす「芝居」と「暮らし」の幸福
【常盤貴子インタビュー】50代のテーマは「即興力」 心の声に正直に、お芝居でも日々の暮らしでも軽やかに生きる自分でありたい
週刊ポスト
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
ホストにハマったAさんが告白する“1000万円シャンパンタワーの悪夢”「ホテルの部屋で殴る蹴るに加え、首を絞められ、髪の毛を抜かれ…」《深刻化する売掛トラブル》
NEWSポストセブン
西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
麻薬の「運び屋」として利用されていたネコが保護された(時事通信フォト)
“麻薬を運ぶネコ” 刑務所の塀の上で保護 胴体にマリファナとコカインが巻きつけられ…囚人に“差し入れ”するところだった《中米・コスタリカ》
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン
小室圭さんと眞子さん(2025年5月)
《英才教育》小室眞子さんと小室圭さん、コネチカット州背景に“2人だけの力で”子どもを育てる覚悟
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
【ステーキの焼き方に一家言】産後の小室眞子さんを支えるパパ・小室圭さんの“自慢の手料理”とは 「20年以上お弁当手作り」母・佳代さんの“食育”の影響
NEWSポストセブン
不正駐輪を取り締まるビジネスが(CPGのHPより)
《不正駐輪車を勝手にロック》罰金請求をするビジネスに弁護士は「法的根拠が不明確」と指摘…運営会社は「適正な基準を元に決定」と主張
NEWSポストセブン
「子供のころの夢はスーパーマンだった」前田投手(時事通信フォト)
《ワンオペ育児と旦那の世話に限界を…》米国残留の前田健太投手、別居中の元女子アナ妻が明かした“日本での新生活”
NEWSポストセブン
眞子さんと佳子さま(時事通信フォト)
《眞子さん出産発表の裏に“里帰りせず”の深い溝》秋篠宮夫妻と眞子さんをつないだ“佳子さんの姉妹愛”
NEWSポストセブン