「体内の水分量が足りていれば、尿は薄い色になります。しかし、不足していれば尿の色が黄色や黄褐色と濃くなっていく。体内の脱水を補うために、腎臓からの水分の排泄が制限されるため、尿が濃くなるのです。尿の色には年間を通して気を配るべきですが、特に夏場はこまめに確認してほしい」
脱水症状・熱中症対策としては「スポーツドリンク」が適しているとされているが、こちらも過度の摂取は禁物である。管理栄養士の望月理恵子氏が続ける。
「スポーツドリンクには塩分に加え、糖分も含まれています。飲み過ぎれば、ペットボトル症候群と呼ばれる急性糖尿病になりかねません。スポーツドリンクを飲むなら水で半分ぐらいに希釈すべきです。
最近一般的に知られるようになった『経口補水液』は、スポーツドリンクより塩分濃度が濃く、糖分が少ない。熱中症の対症療法として開発されたものなので、予防のために飲むより、暑い屋外などで作業する時などに携帯しておくのがよいでしょう。
緑茶はビタミンCが豊富で夏バテ予防に良いものの、含まれているカフェインに利尿作用があるので、熱中症対策には適さない」
※週刊ポスト2017年8月11日号