ライフ

その薬を飲むべきか否か 29種類の医薬品を掲載した判断指針

高齢者ほど服用する薬には注意が必要(写真:AFLO)

 年齢を重ねれば重ねるほど飲む薬が増えていく──ありがちな話だが、本来は高齢者ほど服用する薬には慎重でなければならない。たかせクリニック理事長の高瀬義昌医師が言う。

「高齢になると肝臓や腎臓の機能が低下するため、それに比例して代謝や排せつの能力も落ちる。すると薬が体内にとどまる時間が長くなってしまい、薬が効きすぎて副作用が生じるケースも増加します。

 薬を一度に多量に服用するほどリスクは高まります。ですので60歳以上、特に65歳を過ぎたら薬の選択、用量に注意していくべきです」

 日本の高齢者は世界各国と比較しても服用する薬が多い。厚労省の調査によれば65~74歳の15%が7つ以上の薬を処方されており、75歳以上では26%となっている。

 そんな中、「その薬を飲むべきか否か」を判断する際に参考になる指針が、日本老年医学会が定めた「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」だ。

 このガイドラインには、2000本を超える国内外の論文をもとに高齢者が「特に慎重な投与を要する薬物」として、抗精神病薬や睡眠薬、抗うつ薬、ステロイドなど29種類の医薬品が掲載されている。前出の高瀬医師は、ガイドライン作成メンバーの一人だ。

「ガイドラインの対象者は75歳以上と定めているが、薬の併用による副作用を防ぐために、65歳以上の方はリストにある薬の服用に注意したい」(高瀬医師)

※週刊ポスト2017年8月18・25日号

関連キーワード

トピックス

盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
モサドの次なる標的とは(右はモサド長官のダビデ・バルネア氏、左はネタニヤフ首相/共同通信社)
イスラエルの対イラン「ライジング・ライオン作戦」を成功させた“世界最強諜報機関”モサドのベールに包まれた業務 イラン防諜部隊のトップ以下20人を二重スパイにした実績も
週刊ポスト
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン