国内

宝くじ高額当せん者だけに渡される本、中身は哲学書的

高額当せん者しか手にすることのできない本の中身は

《当せん、おめでとうございます。今あなたは、突然訪れた幸運に驚きと喜びを感じていることでしょう。同時に初めての経験を前にして、少しばかり不安をおぼえているかもしれません》

 そんな言葉で始まる、この世のどこにも売っていない本がある。年間2000~3000人誕生する、宝くじの1000万円以上の当せん者だけに渡される『【その日】から読む本』という1冊だ。

・「すぐにやっておきたいこと、やってはいけないこと」
・「落ち着いてから考えること」
・「当面の使いみちが決まったら考えること」

 の三部構成で、当せん直後から順を追ってやるべきことについて、弁護士や臨床心理士、ファイナンシャルプランナーの意見をもとに作成されたものだ。本誌はその幻の中身を特別に公開する。

 第一部の主旨は、高額当せんがどれだけ非現実的で、興奮状態を押さえることが肝要かということ。

《もうすぐあなたは、現金、もしくは小切手で、当せん金を受け取られることでしょう。当せん金を受け取ったら、まず最初にやらなければならないこと──それは、当せん金をとりあえず安全な場所に置くことです。(中略)少しだけ現金で持って帰ろうと思っている人がいるかもしれません。でも今のあなたは、いつもとは違う興奮状態にあるはず。現金を手にしたことで気が大きくなり、後悔してしまうような行動に出てしまう可能性も考えられます》

 突然強く警告され、“事の大きさ”を痛感する。当せん金を受け取った当日、10日後、1か月後に何をすべきかという書き込み式スケジュール表もあり、周囲に当せんを触れ回ったり、大判ぶるまいといった軽はずみな言動や行動をしないよう注意を喚起される。

 第二部は当せん金の具体的な使い道について。その前段にはこんな文言が。

《当せんしたことを黙っていたのに、会社や近所でうわさが広まってしまったということがあるかもしれません。そして、見ず知らずの人や団体から寄付を求める電話がかかってきたりするということもありえます。

 あなたに知っておいてほしいのは、人間にとって秘密を守るのはむずかしいということです。たとえひとりでも、あなたがだれかに当せんしたことを話したのなら、そこから少しずつうわさが広まっていくのは避けられないと考えたほうがよいでしょう》

“たとえひとりでも”という文言にグッと緊張感が高まる。しかも、こう続く。

《もしだれかに知らせるつもりであるなら、知らせる必要のあると思う人をすべてリストアップしてみるのがよいでしょう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

神田正輝の卒業までに中丸の復帰は間に合うのか(右・Instagramより)
《神田正輝の番組卒業から1年》中丸雄一、『旅サラダ』降板発表前に見せた“不義理”に現場スタッフがおぼえた違和感
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)の“過激バスツアー”に批判殺到 大学フェミニスト協会は「企画に参加し、支持する全員に反対」
NEWSポストセブン
主人公・のぶ(今井美桜)の幼馴染・小川うさ子役を演じた志田彩良(写真提供/NHK)
【『あんぱん』秘話インタビュー】のぶの親友うさ子を演じた志田彩良が明かすヒロインオーディション「落ちた悔しさから泣いたのは初めて」
週刊ポスト
寮内の暴力事案は裁判沙汰に
《いまだ続く広陵野球部の暴力問題》加害生徒が被害生徒の保護者を名誉毀損で訴えた背景 同校は「対岸の火事」のような反応
週刊ポスト
どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン