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日光の古民家食堂を猿や鹿や猪などから守る柴犬の夫婦

食堂を野生動物から守る柴犬夫婦

 日光の五十里湖畔にひっそりとたたずむ『古民家食堂六代目へいじ』。1日1組限定、貸切で泊まることもできるここには、ちょっと変わった宿泊プランがある。

「その名も“当家の警備犬と一緒にパトロールしようプラン”! ちょっとしたお遊びではじめたんですけど、今では店主もびっくりの人気プランです」

 そう話すのは“五十里警備隊長”で番頭の、ダム。“警備主任”は女将も兼ねるいかり娘で、2頭は夫婦なのである。彼らは5年前、店主の三上さんと共に仙台から移ってきてここで食堂を始めた。

「人里離れたところだから鹿や猿、イノシシなんかが多くて、わたしたちが警備を担当することになったんですけど、お客さんも一緒に歩けたらいいな、と思って」

 湖の周囲は約4キロ。沢歩きや山菜採りを楽しみながら歩くのにちょうどよい距離で、大自然を満喫できる。

「うちの建物は江戸時代からこの地にあった民家。75年前、ダムに沈めるのはしのびないって、移築されたんだそうです」

 たまに夫婦ゲンカもするという2頭。勝つのはいつも、いかり娘だというが…。

「妻を立てるのが夫婦円満の秘訣! これからもお尻に敷かれているフリをして仲良く警備に励みます」

【プロフィール】
名前:ダム(♂)、いかり娘(♀)
年齢:5歳
種類:犬(柴犬)
勤務先:古民家食堂六代目へいじ
職種:五十里警備隊(ダム隊長・いかり娘主任)、女将(いかり娘)、番頭(ダム)
主な仕事内容:警備員として、店を野生動物から守る。 女将、番頭として、お客さまをおもてなしする。
お給料:住み込みなので、家賃・食費不要。
好きなこと:お店の周辺パトロール。
嫌いなこと:水に入ること(ダム)。しっぽを触られること(いかり娘)。
現在の悩み:メタボ気味なのでちょっと痩せたい(ダム)。満足しているので特になし(いかり娘)。
将来の夢:江戸時代、街道の宿場町だったころの賑わいを取り戻すため、この一帯をグルメストリートにして、伝達犬として店同士をつなぎたい。

■撮影/山口規子

※女性セブン2017年8月17日号

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