──先日、眞子様のご婚約が報じられた。女性宮家創設の議論が進まないなか、「タイムリミット」が現実的になってきた。
船田:その通りです。女性宮家創設は、女性が皇位継承資格者になることつまり女性天皇の誕生に道を開くことを意味します。歴史を振り返れば、10代8方の女性天皇が居られます。ただし女性天皇のご子息が皇位を継承する「女系天皇」を認めるかどうか。これまでも議論を重ねてきましたが、私のなかでもまだ結論は出ていません。
しかし女性宮家創設、女性天皇の容認によって、皇位継承問題の答えを出すまでの時間的な猶予ができます。猶予期間で皇室存続のためにこれからどうするのか。根本的な解決策を模索しなければなりません。
何よりも女性宮家創設によって、次代の天皇が担う役割を少しでも分担し、多大な負担を軽減できます。
──安倍政権は今上天皇の生前退位を一代限りの「特別法」で済ませたように、天皇の思いに寄り添っていないように感じる。いまの自民党は本来の保守の役割を果たせていないのでは。
船田:陛下には、皇室典範を改正して生前退位を恒久的な制度として確立してほしいというお気持ちがあったと聞いています。しかし陛下のお気持ちとは別に、緊急避難的な特別法で済ませてしまった。
また皇位継承問題についても、私には陛下が男系男子にこだわっているようには思えません。しかし、男系男子へのこだわりに象徴されるように現在の自民党は、頑なな保守に変質してしまっています。
保守として天皇制を守るのであれば、当事者である陛下のご意向を汲み取りながら皇室制度を柔軟に見直すべきです。時代や社会、環境の変化に順応しながら、必要ならば改善する。大切な存在を守るためには変化を恐れない。それが本来の保守の姿です。
【PROFILE】ふなだ・はじめ/1953年栃木県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1979年、25歳で衆議院議員に初当選(現在11期)。昨年、夏の甲子園で優勝した作新学院の学院長も務める。
●聞き手・構成/山川徹
※SAPIO2017年9月号