ビジネス

電子マネー先進国中国のモバイル決済革命が世界を席巻する日

大前氏が中国モバイル革命について語る

 電子マネー先進国といえば、いまやアメリカでも日本でもなく、中国といえるだろう。同人誌即売会ですら電子マネー決済が可能になるほど電子マネーが浸透している中国では、モバイル決済が金融界を席巻している。経営コンサルタントの大前研一氏が、やがて訪れる決済革命について解説する。

 * * *
 いま中国では、個人向けのモバイル決済サービスが急拡大している。利用者はeコマース最大手アリババの「アリペイ(Alipay=支付宝)」が推定8億人、SNS最大手テンセントの「ウィーチャットペイ(WeChat Pay=微信支付)」も同4億5000万人に達し、二つを合わせると実に延べ12億5000万人が利用しているのだ。

 アリペイやウィーチャットペイの使い方は簡単だ。スマートフォンの専用アプリをインストールし、IDやパスワードなどを登録して中国の銀行口座を紐付ける。そしてアリペイやウィーチャットペイを導入している店舗を利用したら、店舗と客の間で、スマホやタブレット端末を使ってQRコードを読み取れば、決済完了となる。手数料も取られない(上限あり)。

 すでに日本国内でも、これらの決済サービスを利用できる店舗が増えてきているが、今のところ中国の銀行に口座がなければ決済まではできないため、中国人客以外の利用は限られている。

 そもそも、これまで決済業務は銀行が一手に請け負ってきた。しかも、日本国内の決済では全銀システム(全国銀行データ通信システム)を、国際決済ではSWIFTコード(※国際標準化機構によって承認された金融機関識別コードの標準書式)のシステムを介さなければならない。両システムはセキュリティを担保するための仕組みだが、その維持コストを利用者が振り込みや海外送金などの手数料として負担させられているのだ。

関連記事

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト