銀行以外の決済にはクレジットカードがあるが、これも日本の場合は加盟店でCATという決済端末からCAFISというオンラインシステムで信用照会を行ない、代金を銀行口座から引き落とす際は全銀システムを介するので、それらのコストがかかる。さらに、支払期日が過ぎても引き落とせなかった債権の回収に相当な費用が発生する。

 このため、加盟店はカード決済の際に数%の手数料を取られている(ただし、手数料ほどのコストはかかっていない)。一方では、ゴールドカードなどの有料カードの場合、利用者は年会費を払わされている。銀行は、この加盟店の手数料と利用者の年会費の両方から“ピンハネ”してボロ儲けしている。だから、どの銀行もクレジットカードの発行にせっせと励んでいるのだ。

 中国の決済も一時はクレジットカードの代表格である「銀聯カード」が席巻していた。日本を訪れる“爆買い中国人”ご用達のカードだったが、今や簡単・便利・手数料ゼロのアリペイとウィーチャットペイに取って代わられた。

 アリペイとウィーチャットペイは基本的にデビット方式(使用した瞬間に口座から代金が引き落とされる仕組み)なので、クレジットカードと違って債権回収リスクがない。通信費だけで決済できるという大きなメリットがある半面、使用時にその金額以上の口座残高がなければ利用できない。

 すでに中国では銀行の窓口決済が激減し、銀聯カードも一気に廃れ、銀行やクレジットカード会社ではリストラの嵐が吹き荒れているという。この変化に対応し、先見性がある日本の小売店や宿泊施設なども、アリペイやウィーチャットペイの導入を進めている。

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン