国内

小・中学生が嫌いな給食メニューは魚 箸使いの苦手感が影響か

加速する子供の魚離れ(写真/アフロ)

「釣りを始めたばかりの夫が、海釣りであじが釣れたと大喜び。上機嫌な夫は、“1人1尾だぞ~”と塩焼きにして出したんですが、小2の長女は憂鬱そうな顔をして箸を付けようとしないんです。そういえば、娘にとって丸ごと1尾の魚は初めて。骨の取り方がわからなかったみたい」

 都内で暮らす38才の専業主婦がそう明かしてくれた事例は、決して珍しくない。

 国産水産物流通促進センターの調査(2014年)によると、「骨のある魚料理を上手に食べられるか」という問いに、小・中学生の子供を持つ親3000人の55.9%が「どちらかというと下手」「とても下手」と回答した。

 現代の子供たちはなぜ、魚を上手に食べられなくなったのか。厚労省の国民健康栄養調査によれば、1人1日あたりの魚介類の摂取量は、1950年61.0g、1060年76.9g、1970年87.4g、1980年92.5g、1990年95.3gと増加していったが、1990年をピークに、2000年92.0g、2005年84.0g、2010年72.5g、2015年69.0gと2000年以降は減少の一途。

 食育や食生活学が専門のお茶の水女子大学非常勤講師の松島悦子さんは言う。

「1990年代までは肉よりも魚の方が各調査で上回っていたのですが、2000年以降は魚よりも肉の消費、頻度が上回るようになりました。

 家庭で魚を調理したくなくなったのには、肉より割高、満腹感がない、子供が好まない、子供が骨を取り除くのを面倒がる、調理が面倒、生ゴミの片付けやグリルを洗うのが面倒、といった理由です」

 家庭での魚食が減ったためか、小・中学生が嫌いな給食のメニューのトップは「魚全般」となってしまった(2009年、農林中央金庫調べ)。

 また、鮮魚の購入数量はあじやかれいなどの小型の骨付き魚が減り、鮭やまぐろなど切り身で購入できる大型魚へ移行しているとする研究もある。

 前出の松島さんによれば、これは箸使いの苦手感が影響しているのではないかという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン