そもそも「男根」は、生殖器でありながら、古来、共同体社会の象徴としての意味を担ってきた。『日本書紀』に出てくる「三神」のひとり、「国常立尊」は「男根」を指していると言われ、『聖書』の世界でも「男根を権威や権力の象徴」と位置づけることで、社会に安定をもたらしてきた。
今日でも、「男性器をリアルに再現した」縄文期の石棒が出土した地域では、「撫で神様」として神社に奉納され、「女の人もびっくり仰天してウワーッと笑う。石棒を中心に話すと、場が和やかになり」、「ムラのまとまりができました」というほどご利益がある。
歴史をさかのぼり、現代をルポすることで辿り着いた先は、思い悩むことなく、ありのままの「男根」を受け入れることで開ける世界がある、という悟りの境地だ。
※週刊ポスト2017年9月1日号