さらに妙なのは棋界最高位に位置づけられる「竜王」である。渡辺明・竜王(33)を見ると「Dragon King」と紹介されている。強そうといえば強そうだが、そもそも“成り飛車”の竜王に「ドラゴン」の意味はない。棋戦の主催スポンサーから文句が来ないか心配だ。
段位の呼称も、なぜかバラバラ。九段は「Kudan」、八段は「8th Dan」、七段は「Seven-stage」、六段は「6th dan」、五段は「Fifth rank」、四段は「4 -dan」となっている。英語しか読めない人には、序列であることさえ伝わらなそうだ。
さらに藤井四段が更新する前の「最年少プロ棋士」記録保持者で、独特なキャラと「ひふみん」のニックネームですっかり人気者となった加藤一二三九段(77)はなんと、「Kato,one hundred twenty-three Kudan」と表記されている。「一二三」という珍しい名前を数字の「123」と“直訳”してしまっているのである。まさにケタ違いの高段者だ。
※週刊ポスト2017年9月8日号