国内

短大の数が減少、「専門職大学」創設でさらに加速か

伝説の「青短」が67年の歴史に幕(公式HPより)

 7月24日、青山学院女子短期大学(以下、青短)が来春の入学生を最後として、2019年度以降の学生募集を停止すると発表した。青短といえば、女優・山口智子(52才)を輩出したことでも知られるお嬢様学校。

 今では「女子大生」といえば四年制大学の女子をイメージする人が多いが、かつては短大生を指すのが一般的だった。「白短」(学習院女子短期大学)、「赤短」(山脇学園短期大学)、「明短」(明治大学短期大学)といった名だたる短大がしのぎを削るなか、圧倒的なブランド力と東京・表参道という立地から、「最強の短大」として君臨したのが青短だった。

 多くの女性が憧れた華やかな短大ライフ。だが、今では衰退の一途を辿っている。1996年のピーク時には598校あった短大の数は、今や337校にまで減少している。その理由を大学通信ゼネラルマネジャーの安田賢治さんが解説する。

「1980年代後半から女性の高学歴志向が強まり、四年制大学の法学部や経済学部などで男子学生と肩を並べて学ぼうとする女性が増えた。また1990年代にバブルが崩壊し不景気に突入すると、企業側も腰掛けではなく、戦力となる女性社員を求めるようになった。

 さらに少子化の影響で短大に進む女性の数は少なくなり、今では3分の2の短大が定員割れです。青短は定員割れこそしていませんでしたが、今後の学生のレベルダウンの危機を見越しての決断だったのではないでしょうか」

 実際、すでに青短と栄華を競った白短、赤短、明短は時代の波にのみ込まれて閉校している。

「2019年4月からはより実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関として『専門職大学』が創設されます。これによって短大離れはさらに加速するでしょう」(安田さん)

 かつては幸せな結婚への近道だった短大。だが、時代の移り変わりとともに短大、そして青短はその役目を終えた――。それでも青短が輝いた日々が色あせることはない。青短を卒業したフリーアナウンサーの帆足由美(53才)はこう力強く語った。

「青短時代、先生が“女性だからって青学の銀杏並木の隅っこをうつむいて歩いちゃダメよ。道の真ん中を、前を向いて堂々と胸を張って歩きなさい”と教えてくれました。学校がなくなるのは寂しいけど、青短での学びを胸に今後も前を向いて生きていきたいです」

※女性セブン2017年9月7日号

関連記事

トピックス

あごひげを生やしワイルドな姿の大野智
《近況スクープ》大野智、「両肩にタトゥー」の衝撃姿 嵐再始動への気運高まるなか、示した“アーティストの魂” 
女性セブン
OZworldの登場に若者が殺到した
《厳戒態勢の渋谷ハロウィン》「マジで両方揉まれました」と被害打ち明ける女性…「有名ラッパー」登場で一触即発の乱闘騒ぎも
NEWSポストセブン
天海のそばにはいつも家族の存在があった
《お兄様の妹に生まれてよかった》天海祐希、2才年上の最愛の兄との別れ 下町らしいチャキチャキした話し方やしぐさは「兄の影響なの」
女性セブン
川村
【北海道・男子大学生死亡】脚には「龍のタトゥーシール」…逮捕された川村葉音容疑者(20)の同級生が明かす「暴力的側面」と「恋愛への執着心」
NEWSポストセブン
満を持してアメリカへ(写真/共同通信社)
アメリカ進出のゆりやんレトリィバァ「渡辺直美超えの存在」へ 流暢な英語でボケ倒し、すでに「アメリカナイズされた笑い」への対応万全
週刊ポスト
ライブペインティングでは模様を切り抜いた型紙にスプレーを拭きかけられた佳子さま(2024年10月26日、佐賀県基山町。撮影/JMPA)
佳子さま、今年2回目の佐賀訪問でも弾けた“笑顔の交流” スプレーでのライブペインティングでは「わぁきれい!うまくできました!」 
女性セブン
傷害致死容疑などで逮捕された八木原亜麻容疑者(20)、川村葉音容疑者(20)、(右はインスタグラムより)
【北海道男子大学生死亡】逮捕された交際相手の八木原亜麻容疑者(20)が高校時代に起こしていたトラブル「友達の机を何かで『死ね』って削って…」 被害男性は中学時代の部活先輩
NEWSポストセブン
木曽路が“出禁”処分に(本人のXより)
《胸丸出しショット投稿で出禁処分》「許されることのない不適切な行為」しゃぶしゃぶチェーン店『木曽路』が投稿女性に「来店禁止通告」していた
NEWSポストセブン
東京・渋谷区にある超名門・慶應義塾幼稚舎
《独占スクープ》慶應幼稚舎に激震!現役児童の父が告白「現役教員らが絡んだ金とコネの入学ルート」、“お受験のフィクサー”に2000万円 
女性セブン
佳子さまの耳元で光る藍色のイヤリング
佳子さまが着用した2640円のイヤリングが驚愕の売れ行き「通常の50倍は売れています」 地方公務で地元の名産品を身につける心遣い
週刊ポスト
傷害致死容疑などで逮捕された八木原亜麻容疑者(20)、川村葉音容疑者(20)(インスタグラムより)
【北海道男子大学生死亡】 「不思議ちゃん」と「高校デビュー」傷害致死事件を首謀した2人の女子大生容疑者はアルバイト先が同じ 仲良く踊る動画もSNS投稿
NEWSポストセブン
いわゆる“ガチ恋”だったという千明博行容疑者(写真/時事通信フォト)
《18才ガールズバー店員刺殺》被害者父の悲しみ「娘の写真を一枚も持ってない。いま思い出せるのは最期の顔だけ…」 49才容疑者の同級生は「昔からちょっと危うい感じ」
女性セブン