7月24日、青山学院女子短期大学(以下、青短)が来春の入学生を最後として、2019年度以降の学生募集を停止すると発表した。青短といえば、女優・山口智子(52才)を輩出したことでも知られるお嬢様学校。
今では「女子大生」といえば四年制大学の女子をイメージする人が多いが、かつては短大生を指すのが一般的だった。「白短」(学習院女子短期大学)、「赤短」(山脇学園短期大学)、「明短」(明治大学短期大学)といった名だたる短大がしのぎを削るなか、圧倒的なブランド力と東京・表参道という立地から、「最強の短大」として君臨したのが青短だった。
多くの女性が憧れた華やかな短大ライフ。だが、今では衰退の一途を辿っている。1996年のピーク時には598校あった短大の数は、今や337校にまで減少している。その理由を大学通信ゼネラルマネジャーの安田賢治さんが解説する。
「1980年代後半から女性の高学歴志向が強まり、四年制大学の法学部や経済学部などで男子学生と肩を並べて学ぼうとする女性が増えた。また1990年代にバブルが崩壊し不景気に突入すると、企業側も腰掛けではなく、戦力となる女性社員を求めるようになった。
さらに少子化の影響で短大に進む女性の数は少なくなり、今では3分の2の短大が定員割れです。青短は定員割れこそしていませんでしたが、今後の学生のレベルダウンの危機を見越しての決断だったのではないでしょうか」
実際、すでに青短と栄華を競った白短、赤短、明短は時代の波にのみ込まれて閉校している。
「2019年4月からはより実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関として『専門職大学』が創設されます。これによって短大離れはさらに加速するでしょう」(安田さん)
かつては幸せな結婚への近道だった短大。だが、時代の移り変わりとともに短大、そして青短はその役目を終えた――。それでも青短が輝いた日々が色あせることはない。青短を卒業したフリーアナウンサーの帆足由美(53才)はこう力強く語った。
「青短時代、先生が“女性だからって青学の銀杏並木の隅っこをうつむいて歩いちゃダメよ。道の真ん中を、前を向いて堂々と胸を張って歩きなさい”と教えてくれました。学校がなくなるのは寂しいけど、青短での学びを胸に今後も前を向いて生きていきたいです」
※女性セブン2017年9月7日号