国内

防衛大1期生が明かす「吉田茂が語った自衛隊論」

防大1期生の平間氏(撮影/平田貴章)

 北朝鮮による威嚇により、この国の防衛体制にあらためて注目が集まっている。国民の生命と財産を守る最前線に立つのが自衛官であり、将来の幹部自衛官を教育・訓練するのが神奈川県横須賀市にある防衛大学校だ。コミックス『あおざくら』の巻末インタビューに答えた“防衛大学校1期生”で元防大教授でもある平間洋一氏が、「吉田茂が60年前に語っていた自衛隊論」を明かした。

 * * *
 防衛大学校は、昭和27年に保安大学校(昭和29年に防衛大学校に改名)として設置されました。私は昭和28年4月1日に入校した本科第1期生です。

 初年度の入試倍率は、私の記憶では32倍という狭き門でした。ただし、最初に明白にしておきたいのですが、私はエリートでもなんでもなく、ギリギリの成績で合格し卒業した、エリートどころかデリートです(笑)。

 異端児の多かった1期生ですが、保安大を志望した理由は様々でした。父親が旧日本軍の高官の子息も2~3割はいたでしょうか。戦後、満州や朝鮮で苦労し、着の身着のまま命からがら日本に辿り着いた引揚者も15~16人いたと思います。彼らは「敗戦後の日本に軍隊がなかったから、我々はこれほど苦労したのだ。だから新しい軍隊を作ろう」という意欲を持っていました。また、食うにも困る程貧しく、学費が無料だということで志望した学生もいました。

 私といえば、父は海軍でしたが、父の助言で保安大を志望したわけではありません。そもそも私自身は左翼学生でした。大学受験の際、「外交官として国のために尽くしたい」と東京大学を受験するも不合格。高校の恩師に進路を相談すると、「駐在武官という職業がある。保安大がいいのでは?」と勧められたのが志望動機です。

 受験は筆記試験と面接、身体検査がありました。身体検査では肺病の検査をするため、当時は貴重だったレントゲン撮影がありました。今ならなんてことはないことですが、ペニシリンですらお金持ちが闇でようやく手に入れていた時代です。レントゲン撮影ができる一般市民など、ほとんどいませんでした。跳ねっ返りで気の強かった私は、面接で志望動機を聞かれ、「レントゲンを撮ってくれるというので志望しました!」と答え、面接官にムッとされたのを覚えています。

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト