国内

暴力団における「血のバランスシート」は等価交換の原則

8月末に開催された任侠山口組の会見

 9月12日午前10時5分、神戸市長田区の路上で、今年4月、神戸山口組から離脱して発足、山口組分裂の第三勢力となった任侠山口組の織田絆誠代表が複数のヒットマンに襲撃され、織田氏のボディガードが死亡した。六代目山口組、神戸山口組、そして神戸山口組から再分裂した任侠山口組の関係は均衡状態に入ったかと思われていたが、突如として血が流れた。フリーライターの鈴木智彦氏が事件直後に現地入りした。

 * * *
 暴力団は、対立相手への襲撃を“仕事”と呼ぶ。暴力に生きる人間らしい隠語である。狙われた織田代表が無事だったのだから、ヒットマンたちの“仕事”は失敗である。暴力団社会で評価されるのは、銃口にひるむことなく、ヒットマンに立ち向かって殺されたボディガードの組員と、親分を守った任侠山口組側になる。

「ヤクザの仕事としては杜撰としか言えない。結果がすべてなのはヤクザも堅気も変わりない。本気の襲撃というなら、2台の車で挟み撃ちにするべきだったし、共犯者が発砲しなかったのは、足がすくんだと揶揄されても反論できないだろう。口封じのため、ヒットマンたちが殺されるのではないかという話も出ており、当局が2週間以内に逮捕できなければ危険かもしれない」(警察関係者)

 警察や任侠山口組に追われるばかりか、我が組織からも消されかねないと危惧される実行犯……その名前は、事件発生から数時間後に浮上した。神戸山口組のトップ、井上邦雄組長の出身母体にして中核である山健組の若い衆だ。事件現場の住民も、任侠山口組側の組員の「やったヤツは分かってる!」という怒声を聞いていた。警察筋に当てても、噂は否定されなかった。

「まだ発表できない。だから質問にうんとは言えない。けど誰がやったかなんて中学生でも分かる話や」

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
《TOKIO解散には迷いなし?》松岡昌宏、「男気会見」で隠せなかった本音 唯一違った“足の動き”を見せた質問とは?
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
ディップがプロバスケットボールチーム・さいたまブロンコスのオーナーに就任
気鋭の企業がプロスポーツ「下部」リーグに続々参入のワケ ディップがB3さいたまブロンコスの新オーナーなった理由を冨田英揮社長は「このチームを育てていきたい」と語る
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン