「新薬は従来の治療薬とは作用機序が違うので、耐性ウイルスに対しても効果を発揮できます。通常、帯状疱疹の皮膚症状は約2週間で消失しますが、治療をせずに放置すると難治性の痛みを伴う帯状疱疹後神経痛に発展することがあり、やっかいです。新薬の登場で、従来の薬では合併症のリスクがあった高齢者や腎臓病の患者さんに対しても治療の選択肢が広がると期待されています」(櫻井院長)
帯状疱疹による発疹出現後72時間以内の患者を対象にした新薬の国内臨床試験では、従来の治療薬に対して非劣勢の結果が出ており、副作用も重篤なものはなかった。
高齢者は帯状疱疹がきっかけで帯状疱疹後神経痛になりやすく、日常生活の質が低下する可能性も指摘された。そこで2016年に厚生労働省は水痘ワクチンの効果・効能に「50歳以上の帯状疱疹の予防」を追加承認している。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2017年10月6日号