ライフ

高齢者や腎臓病患者にも使える「帯状疱疹」の新薬が登場

帯状疱疹の最新療法について医師が解説

 水疱瘡は子供時代に感染することが多く、感染すると約2週間ほどで発症し、通常は約1週間で自然治癒する。ところが、水痘ウイルスはその後もずっと脊髄後根神経節(せきずいこうこんしんけいせつ)に潜伏感染しており、加齢やストレス、過労などにより、免疫が低下するとウイルスが再活性化して帯状疱疹となる。がんや糖尿病、妊娠や膠原病(こうげんびょう)、HIVがきっかけで発症するケースもある。

 帯状疱疹は、水疱瘡に感染したことがある人であれば、誰でも発症の可能性がある。とりわけ60歳を過ぎると発症率が急激に上昇するといわれている。針でさされるようなチクチク・ピリピリとした痛みの後、数日で体の左右、どちらか片側に赤い発疹ができて帯状に広がり、最後は水ぶくれができる。

 シャルムクリニック(千葉県松戸市)の櫻井直樹院長に話を聞いた。

「帯状疱疹の治療は、抗ウイルス薬を用いて行ないます。アシクロビルやバラシクロビル、ペンシクロビルなどが使われています。しかし、これらの薬は腎臓で代謝するため、腎機能が低下している高齢者や透析患者などに使用すると急性腎不全や、アシクロビル脳症という意識障害や幻覚などの精神神経症状を起こすことがあります。なので使用にあたっては、事前に血液検査でクレアチニンの数値を検査し、用量を決めたりする細心の注意が必要でした」

 9月、新しい作用機序の抗水痘ウイルス・ヘルペスウイルス薬(アメナメビル)が発売された。従来の薬はウイルスのDNA合成に関わる部分を阻害するDNAポリメラーゼ阻害薬だったが、新薬は、より上流に作用するDNAヘリカーゼ・プライマーゼ阻害薬だ。従来の薬は腎臓で代謝され、尿に排出されるが、新薬は肝臓で代謝されるために腎障害を持っている患者にも使いやすい。

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト