ニクソン政権とフォード政権で大統領補佐官や国務長官を務めたキッシンジャー氏について、前出の春名氏はこう評する。
「トランプは彼のことを非常に尊敬しており、早くから“外交顧問”として信頼を置いていると言われています。トランプが国務長官にティラーソンを据えたのも、キッシンジャーのアドバイスによるものだったとされています」
2人はこれまでホワイトハウスで会い、対ロシア政策やシリア情勢など米国が直面する困難な外交問題について意見を交わしてきた。
この会合の成果は明らかになっていないが、第2弾として、今年5月にノルウェーの首都オスロで再び非公式会合が開かれていた。
その存在を去る9月に明らかにしたのは、韓国の康京和・外相だ。韓国国会の「外交統一委員会」で康外相が話した内容によると、米国側の出席者はジョン・ボルトン元国連大使ら8人。北朝鮮側は前出の崔善姫・米州局長らが出席したという。
その席で、崔局長は「米国が、我が国への敵対政策をやめるなどの条件が整えば、トランプ政権との対話に応じる」と話し、さらに「条件付きの核開発中断」にも言及したという。康外相の答弁はここまでだったが、この「核開発中断」の条件について、板垣氏が補足する。