「学力が高いということは、安心して生活ができている、親から愛されているという確証を持てている裏づけでもあるのです。反対に、凶悪少年犯罪を犯した子供たちの食生活を調べると、家族で食卓を囲む経験が乏しい、家庭料理を食べた経験が乏しいなどの共通点がありました」(佐藤さん)
佐藤さんは、お弁当の大切さを伝えるため、月に1度子供が自分でお弁当を作って持ってくる「弁当の日」を提唱・実施している。「弁当の日」を経験したある中学生は、実際にお弁当を作ってみてこんなことを感じた。
「いつもより1時間早く起きて台所に立ったとき、母は毎日こうやって用意していてくれたんだなぁ、とわかりました。それなのに、嫌いなものが入っていたといって残していたなんて、悪いことをしていたと思いました。その日から、残さず食べて、お弁当箱は自分で洗うようになりました」
コンビニでもファストフードでも、手軽に食事ができる時代。だからこそ、子供のことを考えながら作ったお弁当が心に影響を与えるのだ。
※女性セブン2017年10月19日号