国際情報

チベット高原源流の大河で洪水が増加 4億人被害の恐れも

中国の3大河の流域で洪水が増加(揚子江。写真:アフロ)

 地球温暖化の影響で、中国のチベット高原の春の訪れが1960年代に比べて10日以上も早くなり、雪解けも早まって、川の水も増水しており、3つの大河である長江(揚子江)や黄河、ランツァン川流域では大規模な洪水が発生していることが明らかになった。

 このため、流域の家畜や中国の人口の3分の1を超える4億人にも大きな被害を及ぼす恐れがある、と専門家は警告している。中国ではもっとも権威がある研究機関、中国科学院が発表した。

 中国の3大河である長江、黄河、ランツァン川(中流域からメコン川)の源流は中国貴州省とチベット自治区にまたがる4000m級の急峻なチベット高原にあることで知られる。

 中国科学院の研究者が1960年代からこれまで50年以上のデータを解析したところ、1960年には植物が成長する時期は年初から160日目(6月中旬)だったが、2013年には151日目(5月下旬)と10日間早くなっていることが分かった。植物が成長するには、春の到来によって、雪が解けるほど温度が上昇しなければならないため、この50年間ほどで雪解けが10日以上も早まっていることになる。

 最近の研究では、チベット高原の都市化などで開発が進んだことにより、氷河がかなり小さくなったり、すべてが溶けてなくなってしまうなどの現象が見られていることも分かっている。この結果、3大河に流れこむ雪解け水の量が多くなり、インド洋に流れ込み、水蒸気が大量発生して、結果的には雨量が多くなるという。

 こうした影響で、中国の3大河の流域では最近洪水が多くなっており、今年6月から9月にかけて、上海西部の内陸部では「100年に1度」といわれるほどの大洪水が発生し、黄河や揚子江の堤防が決壊して大きな被害を出している。

関連キーワード

トピックス

”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
クマ対策には様々な制約も(時事通信フォト)
《クマ対策に出動しても「撃てない」自衛隊》唯一の可能性は凶暴化&大量出没した際の“超法規的措置”としての防御出動 「警察官がライフルで駆除」も始動へ
週刊ポスト
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下主催の「茶会」に愛子さまと佳子さまも出席された(2025年11月4日、時事通信フォト)
《同系色で再び“仲良し”コーデ》愛子さまはピンクで優しい印象に 佳子さまはコーラルオレンジで華やかさを演出 
NEWSポストセブン
「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン