ビジネス

高級ホテルの廉価版続々 星野リゾートや外資系も1万円台で

星野リゾート第4のブランドOMOイメージ(同社発表資料より)

 星野リゾートといえば、全国各地で旅館・リゾートホテルを運営する企業として有名だ。現在展開しているブランドは、高級施設の「星のや」、リゾートホテルである「リゾナーレ」、温泉旅館の「界」の3ブランドであるが、2018年春から第4のブランド「OMO(おも)」を立ち上げ展開していくことが10月5日に同社から発表された。

 OMOは、都市観光の拠点となる都市型観光ホテルをコンセプトにする。これまで、温泉地も含むリゾート地で宿泊施設を展開するのが同社のイメージだっただけに、都市型観光ホテルは新たな境地への進出ともとれる。一方、観光における旅の質にフォーカスする宿泊施設という点で捉えれば、星野リゾートのエッセンスとしては充分理解できるコンセプトだ。

 同社はOMOについて“ブランドプロミス”をというワードで6点の約束を表明しているが、中でも注目したいのが6点目。

〈気軽な旅に嬉しいリーズナブルな価格 観光・趣味・友達との再会など、いつでも誰とでも気軽に旅へ出かけられるように、ご利用いただきやすい価格にてご用意しました〉

 という文言だ。じつはOMOの施設名称には後ろに番号が付いている。「星野リゾート OMO7 旭川」「星野リゾート OMO5 大塚」というように、OMOの後ろにつく番号はサービスの幅を示しているとのことだ。基準をゼロとして、レストランの有無、自社で定義したホテル内施設の有無といったスペックを表現するという。

 リーズナブルな価格とはいえ、OMOブランドについて、具体的な料金設定の詳細は定かではない。価格帯からも高級というイメージがある同社だけに、利用者としては都市型観光ホテルというスタイルはもちろんのこと、“高級ブランド星野リゾートを冠したリーズナブル施設”の料金は特に気になるところだ。

 現在すでに運営を手掛け、星野リゾート OMO7 旭川にリブランドされる「星野リゾート 旭川グランドホテル」の実勢料金は、客室タイプにもよるが1室1万円以下もみられる。OMOが展開されるエリアにもよるだろうが、1室1万円台~という料金帯になろうか。

 これまで廉価な都市型ホテルといえば、ビジネスホテルが代名詞だった。業界では“宿泊主体型ホテル”とも称されている。利益率が高い業態とされ多くの企業が参入してきた。

 その一方、ハードやサービスの割り切りというローコストな業態からの差別化を図るべく、近年は多様な付加価値やコンセプトを提案するハイクラス型ブランドも増えた。宿泊主体型を代表とする廉価版都市型ホテルは、多様な形態が生まれつつあるカテゴリーともいえるのだ。

 このような現況で最近みられる動きが、都市型ホテルシーンにおける“高級ホテル廉価版ブランド”の発表だ。

関連記事

トピックス

(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
熱を帯びる「愛子天皇待望論」、オンライン署名は24才のお誕生日を節目に急増 過去に「愛子天皇は否定していない」と発言している高市早苗首相はどう動くのか 
女性セブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
「台湾有事」よりも先に「尖閣有事」が起きる可能性も(習近平氏/時事通信フォト)
《台湾有事より切迫》日中緊迫のなかで見逃せない「尖閣諸島」情勢 中国が台湾への軍事侵攻を考えるのであれば、「まず尖閣、そして南西諸島を制圧」の事態も視野
週刊ポスト
裁判が進むにつれ山上徹也被告にも徐々に変化があらわれたという(写真/共同通信社)
《引き金を引くことを生きる目的に》山上徹也被告が法廷で初めて感じた“安倍元首相の命を奪った”という強烈なリアリティー 鈴木エイト氏が傍聴席で見た“犯人の実像”
週刊ポスト
ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
今年6月に行われたソウル中心部でのデモの様子(共同通信社)
《韓国・過激なプラカードで反中》「習近平アウト」「中国共産党を拒否せよ!」20〜30代の「愛国青年」が集結する“China Out!デモ”の実態
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《自宅でしっぽりオフシーズン》大谷翔平と真美子さんが愛する“ケータリング寿司” 世界的シェフに見出す理想の夫婦像
NEWSポストセブン
山上徹也被告が法廷で語った“複雑な心境”とは
「迷惑になるので…」山上徹也被告が事件の直前「自民党と維新の議員」に期日前投票していた理由…語られた安倍元首相への“複雑な感情”【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(時事通信フォト)
《潤滑ジェルや避妊具が押収されて…》バリ島で現地警察に拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26) 撮影スタジオでは19歳の若者らも一緒だった
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! プロ野球「給料ドロボー」ランキングほか
「週刊ポスト」本日発売! プロ野球「給料ドロボー」ランキングほか
NEWSポストセブン