この合意で契約更改にどのような変化がもたらされるのか。元阪神球団社長の野崎勝義氏はこういう。
「二軍クラスの契約更改の場合、事前通知があろうがなかろうが提示された金額で印鑑を押すしかない。サインをせずに保留でもしようものなら戦力外になる恐れもあるから、このクラスに変化はないでしょう。変わってくるのは準レギュラーの中堅クラス以上です」
中堅クラス以上の契約更改の席には球団本部長クラスと査定担当が同席して選手と対峙する。場所は球団事務所の応接室。テーブルの上には、選手の反論を封じるかのような分厚い査定資料が置かれている。
査定スタッフは全試合に帯同。同じヒット1本にしても、先取点につながったか、勝ち越しの一打だったかなどが細かくポイント化されていく。タイトル獲得やCS、日本シリーズでの活躍はシーズン中の成績とは別に加算される。野崎氏が続ける。
「基本的には貢献度を細かくチェックする加点方式。サイン見逃しや併殺打などによる減点もありますが、1年間でポイントは1000点台になっていく。その合計ポイントの対前年比が査定の基準になる」
◆もう泣き寝入りしない!
球団側にはっきりとした“論拠”があるわけだ。抵抗する選手は「契約交渉で粘らず、試合で粘れよ」と嫌味をいわれることもあるといい、選手にとっては分の悪い交渉だった。