もちろん墓石などの施設を除去搬出し、址(あと)を埋め戻して整地する作業が必要で、業者を雇い報酬を支払うことになります。お寺は宗教的景観や雰囲気の維持が大切ですから、遺漏がないよう、大抵の場合は出入り業者がおり、そこに依頼して作業させます。離檀料というのは、そうした作業をお寺が業者に依頼するためにかかる費用であるように思います。
この意味での費用が50万円というのは、高いかどうか私には見当がつきません。しかし、標準的な報酬額と比較して、お寺への謝礼を加えても、よほど高いようであれば前記したように、お寺側と交渉されてはいかがですか。
【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2017年11月24日号