■爆風・衝撃波:爆弾が気化して急速に火球が膨張すると秒速数百メートルの衝撃波が発生し、爆心地に近ければ人間はもちろん、車ごと吹き飛ばされ、列車は脱線する。屋内にいて衝撃波に吹き飛ばされなくても、ビルの外壁、ガラスが大破するため、それらが人体を襲う。
■火災:広島では熱戦で可燃物が発火し、広範囲で火災が発生した。2キロメートル以内は大規模火災が発生する。
■地下:広島では爆心地から500メートルの地点にいた人がたまたま地下にいたため、助かった。Jアラートが鳴った場合、近くに地下街、地下鉄があれば退避するのがよい。
■首相官邸:現在、分厚いコンクリートに覆われた建物は少ない。首都中枢では外壁が厚い建造物は国会議事堂くらいだろう。首相官邸の地上部分はガラス張りの外観通り脆弱で、霞ヶ関の省庁も同様。壊滅的被害を受ける。
■交通網:広島とは比較にならないほど自動車が増えた現代の東京は可燃物だらけ。首都高はじめ、主要幹線道路は炎上する自動車で麻痺する。爆心地から1.0キロメートル以内の高速道路橋梁の多くは崩壊する。
■放射線:爆発時に爆風や熱風を直接受けなくても、致死量の放射線を浴びると死に至る。広島では爆心地から1~1.5キロメートルの範囲で推定被曝線量が1500~2000ミリシーベルトだった(現在、一般の人は1年間の被曝線量が1ミリシーベルト以下に法律で定められている)。被爆1週間後には白血球が減少し、多くの人が3~6週間後に死亡した。
■病院:爆心地周辺の病院は壊滅する。被爆者たちの救護は郊外の病院に頼らざるを得ない。
■死の灰:爆発からしばらくすると、上空に舞った放射性物質が地上に降下してくる。いわゆる「死の灰」だ。これらに曝露されると、長期に亘って癌や白血病など「原爆症」に苦しめられる。風向きによるが、仮に南西の風が吹いていれば、遠く茨城県、栃木県にまで及ぶ可能性がある。