中国広東省で11月中旬、警察が総力をあげて、これまでで最大規模の中国マフィア組織の掃討作戦を展開し、1日だけで1420人もの組織構成員を逮捕したことが分かった。逮捕者の大半が指名手配を受けていた。1000人以上もの構成員が1日で逮捕されるのは、中国内でも前例がない。
このなかには、深セン市で行われた結婚式の披露宴会場に警官隊が急襲し、逮捕された指名手配犯140人も含まれていたという。広東省の地元紙「南方都市報」が報じた。
広東省は中国のなかでも最もマフィア組織が浸透していることで知られており、その理由として、隣接する香港やマカオでは歴史的に「黒社会」といわれる非合法組織が暗躍しているほか、ギャングの市場として資金稼ぎが比較的容易であることが挙げられる。
とくに、中国のギャング構成員が夜陰に乗じて、ボートなどで香港やマカオに密入境して、銀行や貴金属店などに押し入り、多額の金品を強奪した例は枚挙にいとまがない。彼らは、そのまま大陸のアジトに戻って、ほとぼりが冷めたころ、再び密入境し同じような犯行を繰り返している。
最近では、広州市や深セン市などでも多くのマフィア組織が入り乱れて、縄張り争いをしており、市中での銃撃戦も珍しくなく、市民が流れ弾に当たるなど抗争に巻き込まれるケースも増えているという。
このため、広東省公安(警察)本部では11月を「マフィア一掃月間」として、大規模な組織構成員の検挙計画を推進してきた。