ライフ

「WRGP」で実食 創作ラーメンの最新トレンド解説

グランプリを獲得した大重食堂(福岡)の「純ラーメン七節」

 ラーメンが国民食であることはもはや論を俟たないだろう。一方でラーメンは現在も日々進化を続けている。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏がレポートする。

 * * *
 ラーメンがいよいよ多様になりつつある。実はいま僕は、「WRGP=World Ramen Grand Prix」という創作ラーメンの大会の審査員として大阪に来ていて、ホテルでこの原稿を書いている。昨日(11月30日)、決勝大会の1日目があり、今日が2日目。452名(杯)のエントリーから決勝大会に進んだ16人(杯)のラーメンが各日8杯ずつ、2日にわけて実食する審査が行われている。

 ラーメンはいつの時代もブームやトレンドに支配されてきた。ブームの黎明期は「荻窪ラーメン」「環七ラーメン戦争」など限られた立地と味が密接に結びついていた。だがその後、ご当地ラーメンブームの後あたりから、ご当地色は薄くなってきた。近年では全国どこでも「二郎系」のラーメンや、低温調理チャーシューにもありつける。地域と丼の中身の相関関係はなくなった。

 ここ最近、スープや麺といった”ラーメンの根幹”に手を入れた期間限定メニューを出す店や、レギュラーメニューでも味を変え続ける店が増えている。そうした傾向が今回のWRGPにははっきりと現れていた。

 今回の大会では「LIMIT600 from Nippon」というテーマが掲げられていた。もちろん決勝大会に残った16杯も「総カロリー600kcal以下」「日本を感じる」丼がそろっていたが、そこにもやはり「いま」が映し出されていた。

 ひとつはスパイス&ハーブの可視化である。初日には味の骨格に和山椒の実を使ったラーメンが複数あった。山椒は今年、一定ブレイクしたとも言えるが、他にも沖縄のヒバーチなど、単なる胡椒とは異なるスパイスを使ったラーメンがあった。ハーブも同様で、山椒の葉や三つ葉、なかにはディルや緑茶を使ったラーメンもあった。

 次に酸や柑橘を味に盛り込む傾向だ。象徴的な「ゆず塩ラーメン」もあったし、カットレモンを添えたラーメンが2、すだち添えが1。そのほか、具のナスの揚げ浸しにシークワーサーを使った一杯もあった。さらには巻きずしに見立てた「ラーメン寿司」は茹で上げた麺をすし酢に20分漬けるという大胆な手法で審査員を驚かせた。

関連記事

トピックス

ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
鳥取の美少女として注目され、高校時代にグラビアデビューを果たした白濱美兎
【名づけ親は地元新聞社】「全鳥取県民の妹」と呼ばれるグラドル白濱美兎 あふれ出る地元愛と東京で気づいた「県民性の違い」
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
『ルポ失踪 逃げた人間はどのような人生を送っているのか?』(星海社新書)を9月に上梓したルポライターの松本祐貴氏
『ルポ失踪』著者が明かす「失踪」に魅力を感じた理由 取材を通じて「人生をやり直そうとするエネルギーのすごさに驚かされた」と語る 辛い時は「逃げることも選択肢」と説く
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《巨人の魅力はなんですか?》争奪戦の前田健太にファンが直球質問、ザワつくイベント会場で明かしていた本音「給料面とか、食堂の食べ物がいいとか…」
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン