◆出方でわかること
加齢とともに、少しずつおしっこの“キレ”が悪くなってくる。「おしっこが出終わったと思ったらまた出始める」という状態は、尿道を塞ぐ筋肉が加齢とともに衰え、尿道内に残った尿を絞り出せなくなっていることが原因であり、病気ではなく老化によることが多いという。
それと似て非なるものが「おしっこの勢いが弱く、長い時間チョロチョロと出続ける」という状態だ。腎臓病や透析の専門医で、ひらくクリニック院長の吉田啓氏の話。
「尿の勢いが悪く、30秒以上にわたって途切れず出続ける場合は、前立腺肥大、あるいは前立腺がんの疑いがあります。これらの病気にかかると、膀胱の出口が狭くなって排尿しにくくなります」
◆漏れ方でわかること
「尿漏れ」も、危険なものとそうでないものに二分される。尿意を感じてトイレに行こうと立ち上がったら、うっかりチョロっと出てしまったというケースは尿道を塞ぐ筋肉の衰えが原因で、それほど気にする必要はない。
問題なのは、「トイレに行きたい」とさえ感じることなく尿漏れしてしまうケースだ。
「膀胱におしっこが溜まっているのにトイレに行きたくならないということは、尿意をキャッチし排尿を調節する大脳皮質などがダメージを受けている可能性があります。考えられる主な原因に、脳梗塞や認知症が考えられます」(前出・近藤医師)
※週刊ポスト2017年12月15日号