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相撲協会内紛で横綱・白鵬の存在感が増している

 協会関係者によると、「八角理事長は、“意見があるなら力士会でまとめるなど、手順を踏んでもらいたい”とかわすのが精一杯でした」という(協会に「講話会」での質疑応答について見解を求めたが、「回答の必要がないと判断した」とするのみだった)。

 もともと、11月30日の理事会では貴乃花親方を冬巡業に帯同させるかが焦点の一つだっただけに、先手を打たれた格好となった。

「理事会後の会見で今回の事件への対応という名目で貴乃花親方が巡業から外れることが公表され、結果として協会が白鵬に従ったかたちになった。事件発覚当初は八角理事長と貴乃花親方の対立だったはずが、ここにきて白鵬の存在感がどんどん増してしまっている」(前出の協会関係者)

 そもそも、白鵬は日馬富士による暴行の現場にいた当事者のはずだが、素知らぬ顔で九州場所中から“暴走”を続けていた。

「事件が明るみに出た2日後、白鵬が報道陣に『日馬富士はビール瓶では殴ってない』と発言したのも、協会にとっては寝耳に水だった。11日目に関脇・嘉風に敗れた一番では、1分以上も負けを認めず“立ち合い不成立”をアピール。協会は全くコントロールできていなかった。

 九州場所の白鵬は15日間、ガチンコ相撲で優勝し、本人は自信を深めている。表彰式では勝手に日馬富士と貴ノ岩の復帰を“約束”し、観客に万歳三唱まで求めた。解説の北の富士(勝昭)さんも、“さすがにやり過ぎだ”と顔をしかめていたほど」(若手親方)

 さらに、優勝から一夜明けての会見では、「2020年の東京五輪での土俵入りを目標にしているからね。あと2年半しか土俵に上がれない。桜の花みたいにパッと咲いて、パッと散って。スパッとね」と角界の危機などどこ吹く風で野望を語ってみせた。

※週刊ポスト2017年12月15日号

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