『イッテQ』のイモトアヤコ、さらには『無人島0円生活』(テレビ朝日系)のよゐこ・濱口優のように、人気者の誕生によって番組が軌道に乗り、高視聴率を記録したことも、テレビマンが冒険企画に再び注目するきっかけとなった。実際、これまで多くの「冒険スター」が誕生し、鮮烈な印象を残した。
2011年から2016年まで約5年放送されていた『なんでもワールドランキング ネプ&イモトの世界番付』(日本テレビ系)の中で、部族に会いに行くシリーズ企画に挑戦したオードリー・春日俊彰。アフリカ・コンゴに住む「ワゲニア」族のもとを訪れ、激流に網をかけて行う伝統漁を体験したとき、足を滑らせて濁流にのまれてしまう。しかし春日はバタフライで川べりにたどり着き、住民を驚かせていた。
マツコ・デラックスと高田純次が出演していた『世界衝撃映像社』(フジテレビ系)の中でも、平成ノブシコブシが部族の家にホームステイするシリーズ企画にチャレンジ。普段は吉村祟の陰に隠れて目立たない相方の徳井健太が、異様なほど部族に打ち解け、また料理の説明をされる前に口にしたり、アルコール度数40度の自家製ビールで酔いが回り、部族に頭を叩いてツッコミを入れたりするなど才能を開花させた。
無人島から脱出し、有人島に早くたどり着く『脱出島』(TBS系)。第4弾まで放送されている人気スペシャル番組だが、ここで「絶対王者」と称されているのが、大学時代登山部で全国大会にも出場するなどアウトドアに精通している、あばれる君だ。火おこしや海水蒸留術、流木とヤシの葉からイカダを作る手並みなど、驚異のサバイバルテクニックを披露している。そうした系譜の延長線上にいるのが現在のナスDこと『陸海空』の友寄隆英氏なのだろう。
◆「ムチャブリ」ができなくなった業界に残された「サバイバル」