芸能
2017.12.18 16:00 週刊ポスト
柴俊夫が回顧 中村翫右衛門先生の役者心得「人であれ」
山田太一脚本のNHK『男たちの旅路』には1977年の第二部から出演。鶴田浩二扮するベテラン警備員を取り巻く若手警備員役を水谷豊、桃井かおりらと共に演じている。
「最初に鶴田さんに挨拶した時は、『知らねえな』の一言だけ返されて終わりました。それで目を離さずに『柴と言います。頑張ります』と食い下がったんです。後になって鶴田さんには『お前、そのギョロッとした目で俺を睨めつけてきたな』って笑い話で言われましたが、それでないと負けちゃいますから。
鶴田さんのセリフは強烈でした。聞いていて引き込まれてしまう。どんどん『そうだな』と思えてきてしまって。僕が演じるのは鶴田さんに反発する役なので、それではいけないんですが。豊とかおりは『それは違うんじゃないか』という感覚をちゃんと持っていましたね。
豊とかおりを見ていると、こういう役者が伸びるんだと思いました。芝居がエネルギッシュで。僕はつい客観的になって引っ込んじゃう。これは役者としての欠点だと思います」
●かすが・たいち/1977年、東京都生まれ。主な著書に『天才 勝新太郎』『鬼才 五社英雄の生涯』(ともに文藝春秋)、『なぜ時代劇は滅びるのか』(新潮社)など。本連載をまとめた『役者は一日にしてならず』(小学館)が発売中。
■撮影/藤岡雅樹
※週刊ポスト2017年12月22日号
関連記事
トピックス

コロナ禍で「理高文低・国公立回帰」強まる大学受験 Fラン大の定員割れは減少
NEWSポストセブン

中村芝翫 観客を爆笑させた大物歌舞伎役者の「不倫いじり」
週刊ポスト

眞子さま 「歌会始」延期で封印された小室圭さんへの“愛言葉”
週刊ポスト

草なぎ剛の妻 交際後に夜遊び卒業、酒もたばこも止めSNS全削除
女性セブン

嵐FC会員に届いた手紙「メンバー写真に大野クンがいない」の騒然
女性セブン

今春パパになる二宮和也、西島秀俊夫妻の助言を受けて妻と挑んだ妊活
女性セブン

小室圭さんは諦めたこともあったが… 眞子さまが後に引けない事情
女性セブン

中村芝翫の不倫相手 藤原紀香と結婚前の片岡愛之助との交際歴も
女性セブン