また、「X JAPAN」の熱烈なファンだという男性Bさん(36歳)は、男性目線から「親に紹介できる」ヴィジュアル系バンドを語ってくれた。
「僕が『X JAPAN』やハードロック、ヘヴィメタル好きの親世代に紹介したいのは、ヴィジュアル系のなかでもテクニカル系で重厚な音を出すバンドです。パチスロ界で大流行した『バジリスク甲賀忍法帖』の主題歌を演奏している『陰陽座』や、ヨーロッパでも人気が高く、耽美なネオクラシカル・メタルを奏でる『Versailles』(ヴェルサイユ)。今勢いがある『lynch.』(リンチ)も骨太なサウンドで邦ロックファンの男性でもハマる要素があるでしょう。若手のV系メタルでは『JILUKA』(ジルカ)が注目されていますね。
この他、近年は男メタラーのファンも増えている『摩天楼オペラ』は僕のイチ押しで、NHKの『MUSIC JAPAN』にも出演しました。高い演奏スキルとボーカルの歌唱力は、今のヴィジュアルシーンではトップレベル。メロディック・スピード・メタルが売りで、ヴィジュアル系を食わず嫌いしているメタル好きの男にも聴いてもらいたいです」(Bさん)
他の人がやらないことをやり、“一般ウケしない”ような強い個性を放ち、各々が火花を散らし合う……。「ヴィジュアル系」という様式美が確立されていなかった1980年代、1990年代の黎明期は、そんな社会への反骨精神こそが彼らの真骨頂だった。
かつて「X JAPAN」のYOSHIKIは、「ヴィジュアル系とは表現の自由である」とインタビューで語っている。時代は移り変わり、親子二世代で一緒に楽しめるバンドが増えていることもまた、ヴィジュアル系という「表現の自由」のひとつの形なのかもしれない。