ライフ

【与那原恵氏選】2018年に読みたい「多様化する『家族』」

本田由紀、伊藤公雄・編著『国家がなぜ家族に干渉するのか』

 年末年始はじっくりと本を読む良いチャンス。『週刊ポスト』の書評委員が選ぶ書は何か? ノンフィクションライターの与那原恵氏は、「多様化する『家族』」を理解する本として、『国家がなぜ家族に干渉するのか 法案・政策の背後にあるもの』(本田由紀、伊藤公雄・編著/青弓社/1600円+税)を推す。与那原氏が同書について解説する。

 * * *
 日本の「家族」のかたちが変わりつつある。少子化が社会問題となってからすでに久しいが、その要因は晩婚化ではなく、未婚化であることが明確になっている。生涯未婚率(五十歳の時点で結婚経験がない人の割合)は、男性で二三・三七%、女性で一四・〇六%(二〇一五年国勢調査)だ。

 かくいう私もその一人だが、家族を持たずに生きていくことに、ことさら不幸を感じてはいない。血縁はなくとも、いざというときに助け合うゆるやかな関係を築くことができた。また、友人の子どもの成長を見守る一員にも加えてもらい、子どもたちが生きやすい日本社会を願っている。

 離婚する知人もいるけれど、その後の生き方は母子・父子家庭、婚姻関係を持たないパートナーとの暮らしなど、多彩だ。家族とは固定的ではなく、変容するものであり、多様な家族のかたち、また生涯独身も多数だという前提で、国は施策を立てていくべきだ。

 ところが安倍晋三内閣は「家族」にかかわる法律案や施策の現実化に向けての動きを加速させているのである。家庭教育支援法案や親子断絶防止法案。また自民党の憲法改正草案では、二十四条(家庭生活における個人の尊厳と、両性の本質的平等)の改正もめざしている。さらには内閣府の「婚活」支援なども活発化している。

 このような政府の動きの目的は、伝統的家族主義の復活といわざるを得ないし、その背景には安倍を取り巻く人脈の意向、さらには経済政策とも連動している。

関連記事

トピックス

新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
安達祐実、NHK敏腕プロデューサーと「ファミリー向けマンション」半同棲で描く“将来設計” 局内で広がりつつある新恋人の「呼び名」
NEWSポストセブン
第69代横綱を務めた白鵬翔氏
白鵬“電撃退職”で相撲協会に大きな変化 旭富士のデビューほか「宮城野部屋再興」が前提とみられる動きが次々と
週刊ポスト
夫から殺害されたホリー・ブラムリーさん(Lincolnshire PoliceのSNSより)
《凄惨な犯行の背景に動物虐待》「妻を殺害し200以上の肉片に切断」イギリスの“怪物”が殺人前にしていた“残虐極まりない行為”「子犬を洗濯機に入れ、子猫3匹をキッチンで溺死させ…」
NEWSポストセブン
還暦を迎えられた秋篠宮さま(時事通信フォト)
《車の中でモクモクと…》秋篠宮さまの“ルール違反”疑う声に宮内庁が回答 紀子さまが心配した「夫のタバコ事情」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚を発表した(左・Instagramより)
《株や資産形成の勉強も…》趣里の夫・三山凌輝が直近で見せていたビジネスへの強い関心【あんかけパスタ専門店をオープン】
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
30歳差コーチとの禁断愛の都玲華は「トリプルボギー不倫」に学んだのか いち早く謝罪と関係解消を発表も「キャディよりもコーチ変更のほうが影響は大きい」と心配の声
週刊ポスト
小芝風花
「頑張ってくれるだけで」小芝風花、上海でラーメン店営む父が送った“直球エール”最終回まで『べらぼう』見届けた親心
NEWSポストセブン
安青錦(時事通信フォト)
最速大関・安青錦は横綱・大の里を超えられるのか 対戦成績は0勝3敗で「体重差」は大きいものの「実力差は縮まっている」との指摘も
週刊ポスト
熱愛が報じられた長谷川京子
《磨きがかかる胸元》長谷川京子(47)、熱愛報道の“イケメン紳士”は「7歳下の慶應ボーイ」でアパレル会社を経営 タクシー内キスのカレとは破局か
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さまの墓を参拝された天皇皇后両陛下(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《すっごいステキの声も》皇后雅子さま、哀悼のお気持ちがうかがえるお墓参りコーデ 漆黒の宝石「ジェット」でシックに
NEWSポストセブン
熱愛が報じられた新木優子と元Hey!Say!JUMPメンバーの中島裕翔
《20歳年上女優との交際中に…》中島裕翔、新木優子との共演直後に“肉食7連泊愛”の過去 その後に変化していた恋愛観
NEWSポストセブン
記者会見に臨んだ国分太一(時事通信フォト)
《長期間のビジネスホテル生活》国分太一の“孤独な戦い”を支えていた「妻との通話」「コンビニ徒歩30秒」
NEWSポストセブン