歌手を目指していましたが、「顔と名前を覚えてもらうための手段に」と説得して、水着で売り出すことになり、その後「アデランス」のCMを5年間務めるなどブレイクしていったのです。
私が女の子たちに繰り返し話したのは、新聞や本を読んで知識を身につけなさいということ。バラエティ番組などに出れば、芸人の下ネタに対応しなければなりません。知識があれば機転も利くし、振られた下ネタもうまく返せる。
実際、細川ふみえや山田まりや、MEGUMIなどは、バラエティで安易に下ネタや〝彼氏ネタ〟を言わずうまく立ち回ったので、勘のいい子だという評価をもらって活動の場が広がっていったのです。そして、気がつけば1990年代後半くらいから「胸の大きな子=バカ」という偏見がなくなっていました。
そんな私もここ10年ほど新しい女の子をプロデュースしていません。ひとつには、AKB48に代表される大人数のアイドルが水着でグラビアを飾るようになり、タレント個人が集団に埋没して個性を失ったというグラビア界の状況があります。
しかも、豊胸技術の進歩によって、素人目には手術したのかどうかわからなくなりました。巷に巨乳の女の子が増え、巨乳であることの珍しさや偏見がなくなった。積極的に水着になりたがる子が増えるなど、グラビアを取り巻く状況が一変したということです。
撮影■山岸伸 取材・文■岡野誠
※週刊ポスト2018年1月26日号