スポーツ

白鵬と稀勢の里 黒星相撲に見る両横綱の対照的な心理

大荒れの初場所

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、大荒れの大相撲初場所をウォッチ。

 * * *
 波乱が続く大相撲初場所、横綱白鵬だけでなく稀勢の里も休場となった。元横綱日馬富士の暴行問題で減給処分を受け、横綱審議委員会からは立ち合いでのかち上げや張り手を批判されていたが、2場所連続41度目の優勝を狙っていた白鵬。そして、ケガによる休場明け、「戦える準備ができた」と初場所前に語っていた稀勢の里。黒星となった取り組み後の様子から、対照的な二人の横綱の表情を見てみよう。

 初場所3日目、稀勢の里が関脇の逸ノ城に破れると、場内は静まりかえった。だが白鵬が前頭の北勝富士に負けると歓声が上がった。立ち合いのタイミングが合わずに仕切り直し。組んだ後は押し出されて土俵の下に落ちた白鵬。顔を上げると、負けた時によくやる口を尖らせる仕草を見せた。自分の相撲に納得がいかないのか、終わったばかりの取り組みに不満があるのか、悔しさや納得がいかない、面白くないという気持ちを示しているのだろう。

 左手を大きく振りながら土俵に戻ると、唇を固く結び一瞬、北勝富士を凝視する。礼をするように頭を下げたまま、くるりと背を向け、再び2度、口を尖らした。納得のいく相撲ができず、闘士がまだまだ納まらない。そんな印象の仕草ではないか。それだけ勝利へのこだわりが強いのだろう。花道を戻る時も口はへの字。よほど負けたことが悔しかったと推察できる。白鵬は比較的感情が表情や仕草に表れやすい力士である。表情や仕草でマイナス感情やストレスを表に出すことで、無意識のうちに自らの心を落ち着かせようとしているのかもしれない。

 そして迎えた4日目、相手は関脇の嘉風。九州場所では土俵の外まで寄り切られて初黒星を喫した後、茫然とした顔で立ち上がり、左手を挙げて立ち合い不成立をアピール。行司の軍配が返っていたにも関わらず、物言いをつけて、横綱の品格を問われた時の対戦相手だ。

 見合った時の表情はいつもと変わらないが、はたき込まれて土俵に手をついた。起き上がると、やはり口先を尖らしたものの、左手が力なくぶらぶらと揺れている。白鵬にしては珍しい左手の動き。勝った時は、当然のことながら左手を悠々と力強く振るし、負けた時でも、その手を力なく揺らすようなことは滅多にないのだ。

 場所中、保ち続けているはずの集中力が一旦、途切れたのだろうか? それとも自分の取り組みへの落胆と言えばいいのだろうか? 戦意を喪失したような、どこか投げやりな手の動きなのだ。

関連記事

トピックス

モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
「港区女子がいつの間にか…」Nikiが親密だった“別のタレント” ドジャース・山本由伸の隣に立つ「テラハ美女」の華麗なる元カレ遍歴
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン