もう一つ大事なのは、「だれかのために」という思いだ。米国カーネギーメロン大学の調査では、ボランティア活動をする人は、しない人に比べて、高血圧になるリスクが40%低いというデータが出ている。
日野原先生も、医師としての仕事を通して、「だれかのために」という思いを常に意識していたように思う。「子どもたちに平和と愛の大切さを伝えること」をモットーにした「新老人の会」をつくり、高齢者の新しい生き方を実践していた。ぼくたちは、センチナリアンの日野原先生から見習うべきことがたくさんあると思う。
●かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任、現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。近著に、『人間の値打ち』『忖度バカ』。
※週刊ポスト2018年2月9日号