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大前研一氏 不安をなくし人生を謳歌するための税制を提唱

 とくに資産税導入のメリットは大きい。まず、自分の資産を正確に把握することができて人生が見通せるようになるので、ある程度の資産を持っている人は将来への不安がなくなる。

 さらに、資産に課税されるとなれば、不要な資産は売り払い、そのお金でもっと人生を謳歌しようという気持ちになるはずだ。今は生前贈与ができるようになったが、それでも最終的に相続税がどれくらいかかるかよくわからないから、手元のお金も使うに使えないという状況になっている。しかし、相続税がなくなったら、資産を貯め込むよりもキャッシュフローを増やして元気なうちにやりたいことをやらないと損だ、という発想になるだろう。

 たとえば、イギリス、ドイツ、スイス、スウェーデンといった国の高齢者たちは、オーストラリアや東南アジアなどに移住し、貯金と年金を使って優雅なセカンドライフを満喫している。

 日本が資産税を導入して国民の将来への不安を軽減するとともに、子孫に美田を残すよりも自分の人生を目一杯エンジョイしようという方向に心理を動かせば、日本の高齢者も暖かくて人件費が安いタイやマレーシアなどに移住して、24時間完全介護の施設を利用したりしながら、充実した老後を送る人が増えるはずだ。

 また、政府主導の教育無償化は、単に税金を使って能力の低い学生を量産するだけで、なんのプラスにもならない。それなら、高校までの学費はクーポン制にして、国公立でも私立の学校でも海外留学でも、本人が希望する教育を自由に受けられるようにすべきである。そうすれば、学習意欲も高まるし、もっとましな子供が育つと思う。

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