ビジネス

大前研一氏 不安をなくし人生を謳歌するための税制を提唱

大前氏がサラリーマン増税を斬る

 年収850万円超のサラリーマンに対する増税が話題だ。消費意欲が冷え込み、ますます財布のヒモが締められるだろうから、今回の増税は景気を悪くするだけで100%間違っていると経営コンサルタントの大前研一氏は批判している。では、どんな税制があるべき姿なのか──大前氏が提言する。

 * * *
 政府がやるべきは、まず国民の間に蔓延している「将来への不安」という心理的バリアを取り除くことである。そして、人生をエンジョイできるような仕組みを整えることである。そのためには税制を根本から変えなければならない。

 もはや日本は人口が増えないので人口ボーナスもなくなり、高成長は望めない。長引くデフレの中で、昇進も昇給もなく、高齢化が進んで社会保障負担が増える一方だ。そういう国では、「流れているお金=フロー(収入)」に対して課税するのではなく、「貯まっているお金=ストック(資産)」に対して課税するほうが理にかなっている。

 また、フロー課税の場合、今回のように「いくら以上の収入があれば高所得」という恣意的な線引きをしなければならない。だが、ある所得額を超えると増税になり、それ以下は減税になるという税制は、納税者の間に必ず不公平を生む。収入が増えない日本のような国で税負担だけが重くなっていけば、あるいは重くなると心配する人が増えれば、早晩行き詰まるだろう。

 だから、私が長年提唱しているように、所得税や法人税、相続税など既存の税金はすべて廃止し、預貯金や不動産などすべての資産に課税する「資産税」と、消費に応じて課税する「付加価値税」の二つにシフトすべきなのである。

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン