芸能

がん治療から10年の原千晶「今もホッとすることはない」

原千晶が自らのがん治療体験を回想(ブログより)

「がんになってしまったら人生が終わる」──そんなことはない。罹患しても治療で克服、寛解(治療後5年経っても再発しない)している人は多くいる。「がん患者」としての人生に不安はつきものだが、正しい知識と治療によって、希望を持ち続けることができる。子宮頸がんと子宮体がんを経験している原千晶さんが、自身の体験を語る。

 * * *
 子宮頸がんを発症したのは2005年、HPVウイルスが原因でした。手術することになったのですが、「再発防止のために子宮全摘出を」と主治医の先生には言われたのですが、将来子供を産むかもしれないと、部分切除(温存手術)をお願いしました。

 今でもその判断自体は後悔していませんが、術後に“逃げてしまった”ことは後悔しています。がんを抱えていること、もしかしたら再発してしまうかもしれないこと、その恐怖から逃げるために、術後の定期検診から足が遠のき、“大丈夫”と自分に言い聞かせながら病院に通うのをやめてしまったんです。

 ひどい腹痛で病院に駆け込んだのは、2009年。今度は子宮体がんの発症でした。明確な意味での再発ではありませんが、このときは全摘出を決意。手術を受け、抗がん剤治療を受けました。がんは“逃げ切れない病気”だと思います。そしてひとつとして同じパターンはありません。だからこそ、患者が持つ不安や恐怖は、誰にもわからない。

 そんな孤独を少しでも解消したいと2011年に立ち上げたのが「よつばの会」です。がんについての悩みや不安を話し合ったり、情報交換をし合う場として定期的にサロンを開いたりしています。そこで皆さんが話す、再発への恐怖、先の見えない治療の苦しみは壮絶です。私自身、治療からもうすぐ10年が経ちますが、今も心からホッとした、という気持ちになることはありません。

 でも、なんとか乗り越えられ、気持ちを強く持てているのは信頼できる先生に診てもらい、適切な治療を受けられたと思うから。がんについての情報収集は骨が折れる作業ですが、やる価値は絶対にあります。無知なままで恐怖や不安と闘うことが、結果的に悪い結果を生んでしまうことだってあるんです。信頼できる先生に出会うこと、そして日本中どこででも平等に受けることができる標準治療をしっかりと受けることはとても大切なことだと思っています。

※女性セブン2018年2月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
ラブホテルから出てくる小川晶・市長(左)とX氏
【前橋市・小川晶市長に問われる“市長の資質”】「高級外車のドアを既婚部下に開けさせ、後部座席に乗り込みラブホへ」証拠動画で浮かび上がった“釈明会見の矛盾”
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン