福井県は前出の最新調査で、女性の生涯未婚率が全国最低の8.66%を記録し、最も高い東京都の半分以下だった。縁結びさんの存在が未婚率を押し下げたとの指摘は多い。
一方で縁結びさんの苦労が絶えないのも事実だ。高橋さんは自分の携帯で24時間相談を受け付けるので、深夜に「おつきあいが始まった相手から〇〇と言われたけど、どういう意味ですか」「私は男性から見て魅力がないのかしら」といった電話がかかってくる。
ボランティアのため相談者からの謝礼は一切受け取っておらず、相談者と、相手の縁結びさんへの電話代や交通費、お見合い時のコーヒー代なども持ち出しとなる場合もある。まさにお節介でないとやっていられない仕事だが、それでも続けているのは相談者の幸せな顔が見たいからだ。
「最近いちばん嬉しかったのは、婿養子を求めていた40才女性と42才男性のカップルを1年くらいかけて結婚まで導いたこと。女性は縁結びさんに依頼したことを親に隠していたのですが、いざ結婚が決まってから報告したら、とても喜んでくれました」(高橋さん)
結婚に消極的な娘・息子を見かねて、親が「縁結びさん」のもとを訪れることもある。ただし「母親」と「娘」の関係は繊細だ。
「母親が娘との会話の中で何度も結婚を話題にしていたら娘が怒って口をきかなくなることがあります。『もう私から何も言えないので、代わりに娘と話をしてください』という相談もある」(高橋さん)
※女性セブン2018年2月22日号