国内

はやぶさ帰還は日本の潜在的軍事力の高さを内外にアピール

佐藤優氏(左)と片山杜秀氏 撮影/黒石あみ

 作家の佐藤優氏と思想史研究家の片山杜秀氏が「平成史」を語り合うシリーズ。今回は、民主党政権時代の出来事を振り返る。2人は、菅直人政権が直面した、これまでにない危機の数々について語り合った。

片山:民主党の菅政権は、これまでにない危機に直面した政権でもあった。

 まず2010年9月、尖閣諸島付近で中国漁船と海上保安庁の巡視船が激突した(注1)。中国各地で反日デモが起こり、日本では海上保安官がYouTubeで衝突の様子を流した。映像流出は一部でもてはやされましたが、海上保安庁の危機管理はどうなっているのかと驚いた人も多かったはず。

【注1/2010年9月、尖閣諸島付近で巡視船に衝突した中国漁船の船長を逮捕。中国への配慮で釈放したことに対する抗議デモが国内で行われた。中国でも反日デモが起こる。】

佐藤:一色正春保安官ですね。これは田母神論文(「日米戦争はアメリカによる謀略」などとアパホテル主催の論文懸賞で最優秀賞を獲得し航空幕僚長の立場から更迭された件)にも通じる問題です。自衛隊も海上保安庁も武器を所持している。武器を持っている役所の公務員はいかなる理由があっても規則、統制に従わなければなりません。

片山:海上保安庁は北朝鮮の船を沈めています。実戦を経験した組織だからなおさらですね。

佐藤:日本で軍事力を持つのは自衛隊だけではありません。この年の6月、小惑星イトカワを観測した探査機はやぶさが約7年ぶりに地球に戻ってきました。この成功は日本が大気圏外から任意の場所になんでも落とせる能力を持つことを世界中に知らしめたんです。

関連記事

トピックス

中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
愛子さま、初の単独公務は『源氏物語』の特別展 「造詣が深く鋭い質問もありドキっとしました」と担当者も驚き
愛子さま、初の単独公務は『源氏物語』の特別展 「造詣が深く鋭い質問もありドキっとしました」と担当者も驚き
女性セブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
稽古まわし姿で土俵に上がる宮城野親方(時事通信フォト)
尾車親方の“電撃退職”で“元横綱・白鵬”宮城野親方の早期復帰が浮上 稽古まわし姿で土俵に立ち続けるその心中は
週刊ポスト
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者
【新宿タワマン刺殺】ストーカー・和久井学容疑者は 25歳被害女性の「ライブ配信」を監視していたのか
週刊ポスト