若者たちには、この言葉のように挫折を恐れず果敢にチャレンジして欲しい。壁にぶつかった時には、それを糧として次につなげて欲しい。失敗を恐れるあまり、新しいことに挑戦しない人生など退屈ではないか。最後にセナが当時残した若者たちへのメッセージを紹介して締めくくりたい。
「時を無駄にしないで欲しい。今という時は二度と帰ってこないのだ。そして耐えることを学んで欲しい。耐えると言ってもただ受け身的に耐えるのではない。そんなものは愚かな従属だ。攻撃的な姿勢で耐えるのだ。今耐えていることをどう次につなげるかをね。(中略)全力で走った時にかく汗とは実に気持ちの良いものだ。だから人生で大汗をかいて欲しい。そうすれば結果はどうあれ決して後悔はしない」
言葉通りに全力で人生を疾走したセナは、このインタビューの3年後、サンマリノグランプリで最期を遂げた。素晴らしい人ほど早くに逝ってしまう。残念でならなかったが、彼自身は後悔のない人生だったに違いない。
※SAPIO2018年1・2月号